現存!古代生物史パッキー

 パッキーが毎回毎回面白いです。ギャグも面白いのですが、なんというか感心させられます。
 恐竜を始めとした古代生物が現代にいるだけならよくあるギャグマンガですし、一話で頭突き云々の話が出た時は、これからいろんな古代生物が出てくるとしたらあんまり面白くなさそうだと思っていたのですが、回が進むに連れてどんどん面白さが増してきました。生物ごとの価値観の違いと現代社会への適応、モダン社会における頭突きの存在意義とその展望といった知的なギャグは特に秀逸です。パッキー達は知識は無くとも知性は非常に高いので、現代社会を恐竜的に頭突き的にどう解釈するかは毎週気になってしまいます。
 今週も「花は草食動物にとって食糧」という人間との価値観の違いがまずあって、じゃあ花屋はどういう意味があるのかと考えた結果、「食べられるものを敢えて食べないという心の余裕」といった結論に落ち着く流れは、素直に感心してしまいました。わからないなりに結論を出そうとするパッキーはカッコ良い。そして結果的に現代社会における花屋の役割にも通じているというギャグにもなっているのがまた面白い。肉食動物は花を食べず人間と同じように愛でようとしていて、しかし花を食べようとするのが許せないから草食動物を食べるという流れも、現代社会における食物連鎖のようで妙に笑ってしまいました。
 そんな恐竜達の間で知的なギャグが作られている一方で、人間関係が妙に力に偏ったものが多いというのはギャップを狙っているんでしょうか?母親が生物最強で、しかし父親の殴り心地に惚れて結婚したとか、文化の真逆ですよ。それとも「恐竜にもわかる価値観で二人は繋がっている」という意味なのでしょうか?


 最近ジャンプは長期連載枠が増えているおかげで新人の入る隙間が無くなっているのですが、パッキーはもっと続いてほしいと思います。
 それとHUNTER×HUNTERはそろそろ一旦休みに入っても良いと思うのですが、いつまで連続掲載を続けるのでしょうか。絵が荒れているのを見ると休みを入れてほしいと思いつつ、しかし荒れていたらいたで味のある表現もいっぱいあるし、何より話が十分面白いので、続いてくれるならそれでも良いんですがね。