中途半端なゲーマー

 ギャルゲーの話を上でチラリと出しましたが、私はほとんどギャルゲーというものをプレイしていません。今までクリアしたのも、片手で数えられるぐらいじゃないかと。それは一つに「金が無い」という切実な理由があるのですが、もう一つ私の考え方によるものが大きいのです。ふと友達とのメールでその話を思い出したので、思うまま書いておきます。


 一般にゲームというものは、やり直しがききます。これはゲームの側から与えられた最大限の幸福だと思うのですが、こと私に至っては非常に辛いのです。もし私にゲームのような「二度目の人生」があったとしたら、一度目の人生はどこに行ってしまうのだろうかと。
 特にギャルゲーなどの「人と付き合うお話」の場合、一度目の人生(プレイ)で仲良くなった人とは、二度目の人生では関係が消えているのは非常に辛いと思います。しかも、自分の分身である主人公は、一度目の人生を忘れたかのように他の人と付き合います。それはなんというか、酷いのです。そして、私はなんて酷い人間なのかと思うと、どうしてもそこから進めなくなってしまうのです。
 現実にはリセットはありません。だからこそ後悔しないように生きていますし、仮にギャルゲーのように「一度人と付き合って、その関係が無くなってから他の人と付き合う」現象が現れたとしても、一度関係を清算します。「これは私が選んだ道なんだから、後悔はしていない」というわけです。ところがゲームではそうではなく、複数の人生が重なっているのです。これはもう、本当に辛い。
 つくづく難儀な性格だと思いますし、感情移入しすぎな気もします。が、こればっかりは混同してしまうと、自分の人生にも禍根を残しかねないので。


 だから私は、ゲームはいわゆる「マルチエンディング」のあるものにはほとんど手を出しません。何度も同じ場面を見るのは単純にだれるという理由もありますが、一回で「全クリ」できるものが好きです。更に言えば、Wizのように「主人公」が無いゲームならもっと好きです。
 これは、結局ゲームはストーリーよりも、プレイして楽しいかどうかに重きを置いているという事でもあります。私の場合。