萌える私の小宇宙

 唐突にFF7を始めたくなりまして。でも私はFF7は人から借りただけで、実は持っていないんですよね。ですから、わざわざ中古ショップを漁って買ってきました。傷モノだったんですが、おかげでちょっと安かったです。ちなみに、インターナショナルとかのややこしい仕様ではなく、初期型です。
 私はこのゲームが好きです。レーシングラグーンっぽくて……というのはウソですが、ストーリーやキャラクター、システムはなかなか好みなんですよね。世間では「FFじゃない」とか言う人もいるかもしれませんが、これは「FF7」という別のゲームなんだと思います。だからこそ、ここ数年でFF7の続編とか外伝が発表されているのもOKだと個人的に思ってます。
 せっかくだからこの場を借りて、いろいろ褒めてみようと思います。


 まずシステム。主にマテリアが中核となっていますが、これは自由度があるようで意外と制限があるんですよね。特に全体化や召喚魔法が回数制なのは上手いと思いました。そして魔法は基本的に強力ですが、付けすぎるとHPが減るという仕様も後半じわじわと効いてきます。
 更に言えば、あまり「極めプレイ」が強調されていないのも特徴でしょうか。これは私だけじゃないと思うんですが、「コンプリートした人へのご褒美」があると挑戦したくなるんですよね。でも、それが過酷だとダレるのです。まあこのゲームの場合マスターマテリアがあるんですが、マテリアはそれぞれにある程度の実用性がありますから、使っているうちに自然と達成しやすくなっていると思います。
 次にキャラクターですが、これはぶっちゃけ好みの問題です。私の基準で言えば、レッド13が初登場から知的さを出していながら、故郷では実は若造でそれ以降は子供キャラになるとか、バレットの腕が武器になっている事に対して説明が無いので珍しい仕様でもないのかと思わせて、実はそこに深い因縁があるとか、その辺の「キャラの姿」に意義があるんですね。ちゃんと一人ひとりの見せ場がありますし。
 ちなみに私はユフィが好きです。唯一「背負っていない」キャラなので。皆動機はそれぞれでも、最終的には「星を守る」とか「セフィロスを止める」とかに収束するのに対し、ユフィは「マテリアで一旗揚げ、故郷を復興する」という、裏表無くしかも利己的な目的です。後はケット・シーも良いですね。普段は関西弁でムードメーカーみたいなキャラでありながら、皆に感化されて二重スパイになるなんて熱いじゃないですか。
 そして私は重い話は好きでも、重いキャラクターはそれほど好きではなく、むしろ「重い話も『なんとかなるさ』と軽く流す」キャラが好きなんですよね。時には真剣に考えるかもしれないけど、普段はヘラヘラしてるぐらいで丁度良いんじゃないかと。そういう意味で、この二人はお気に入りです。
 しかし、この「普段はお遊び」という要素は、FF7の世界全体に流れてると思います。特にルーファウス神羅歓迎式典の辺り、もう好きで好きで……。変装するだけで良いのに、ノリノリでポーズを考えたり「〜であります!」とか言うクラウドといい、そのクラウドに付き合う上官達といい、謎の歌詞が付いた音楽といい、心底どうでもいいミニゲームといい、私が再プレイしようとした理由の四割は、このイベントを見る為です。
 「お遊び」に関連して書きますが、FF7にはミニゲームとも呼べないような、小さな特殊操作が必要な場面がありますね。普通、女の子が溺れて人工呼吸をする場合、オートイベントで流すと思いますが、FF7ではそうではありません。そういう時、プレイヤーは一瞬戸惑いますが、私はこれを演出だと思っています。
 つまり、世界観とクラウドというキャラクターの構築に一役買っているのです。実際のところは進行に影響無くても、そうやってプレイヤーに追体験させる事で物語に深みが生まれています。特にDISC1のラストでエアリスに剣を向けてしまうところとか、どうにかして斬るまいとしても止められないクラウドの感情がよく現れていますし、プレイヤーである私にもそれが強く伝わりました。
 最後にストーリーですが……、今思うとそれほどでもないですね。というより、プレイし終わって思い返している時は「面白い、よくできてる」と思ったのですが、そんな状況で二回目をプレイしていると、流れがどうにも歪になっているように思いました。言うなれば、話としてまとまってはいても、構成に難があると。特に、FF7ではクラウドの過去が重要な話になっていますが、それを出す過程があまり上手くなくて、「過去に何か秘密がある」事が丸分かりでした。
 同じスクウェアの「主人公の過去に秘密がある」ゲームであるレーシングラグーンではあれほど面白かったのに……。ただラグーンの場合、皆のキャラが濃すぎるので誰がどんな秘密を持っていようと不思議ではないという、「木を隠すなら森」のストーリー構成だったのですが。だから、辻本が実は何の過去も背負っていないと知った時は驚愕しました。


 FF7について書いていたのに、オチがラグーンなのはどうした事でしょう。
 ちなみに数日前からプレイし始め、今日ようやくルーファウス歓迎式典に到達しまして(ちなみに、昨日はユフィを仲間にするだけで一日使いました)、テレビ局の人から爆弾を届けられました。このわけのわからないセンスは貴重だと思います。そして、FFシリーズには伝統的にこういう遊び要素がありますが、7の場合はディフォルメが効いていて、リアルタッチでもアニメっぽいのが上手くマッチしています。だから人気があるんでしょうかね。