ゲッターサーガ

 やけにアクセス数が増えていると思ったら、絶望先生OPについて移動しました。で取り上げてもらっていたようで。全然気づかず25日の日記を26日に書いていて、しかも「詳しい分析」などと書かれていれば、もう恐縮するしかありません。あのような文章で参考になるかは分かりませんが、リンクしてくださったHiroKi Fujiharaさんと読んでくださった皆様、ありがとうございました。もしご指摘等あれば連絡してくださると嬉しく思います。
 ただ、こんな事になるのなら、もう少しタイトルを考えるべきだったと思います。一時期は「如何にタイトルで笑わせるか」を考えていましたが、やはり人目に付くようならば「分かりやすさ」を求めるべきですよね。


 さて、先日「ゲッターロボアーク」の文庫版が発売されました。簡単に概要を述べるなら、スーパーロボットマガジンで連載されていたゲッターサーガの最新作でして、雑誌の休刊に伴い打ち切りのような最終回を迎えました。コミックスは全3巻で、最終話には若干の描き足しがされています(それでも完結はしていませんが)。
 元々スーパーロボットマガジンはゲーム「スーパーロボット大戦」の人気を受け、ロボットアニメをメインに扱う雑誌として創刊した雑誌でした。しかし、スパロボは確かに人気シリーズではありますが、それで雑誌一つを保てる程というわけでもなく、他の様々なロボットアニメやシリーズなどの続編、アンソロジー等の漫画を載せて展開していたものの、次第に人売り上げが落ちていき、僅か14号で休刊してしまいました。
 「ゲッターロボ」というシリーズは人気シリーズである事は疑いの無いものなのですが、あまり掲載誌には恵まれていません。前作である「真ゲッターロボ」も、前述の「スパロボ」人気を受けてゲッター自身が再評価されたから描く事ができた、という部分があり、スパロボ関連のコミックに一つずつエピソードが収録されて細々と続いた印象があります。一番最初のゲッターはまだ大らかだった時代の週刊少年サンデーで連載されていましたが、マジンガーZだってジャンプで連載していた時代ですしね。
 そして、作者の石川賢先生もまた、作品を打ち切りっぽい終わり方にする事の多い人でした。ですから、スーパーロボットマガジンを読んでいなかった私は、「またいつもの石川展開か」と思い、続編を呑気に待ち望んでいました。
 しかし、石川賢先生の続編は描かれませんでした。石川賢先生は、去年の11月15日にお亡くなりになられたのです。
 私は当然のように漫画好きでアニメ好きでロボット大好きでそれ以上に打ち切りが好きでぶっ飛んだものが大好きな人間でして。そんな私ですから「好きな作品を挙げろ」と言われても悩むのですが、「好きな漫画家を挙げろ」と言うならば、尾玉なみえ先生と並んで石川賢先生を挙げます。
 正直、ショックでした。今まで多くの漫画家の先生に先立たれていきましたが、お亡くなりになられて、趣味も仕事も一日手に付かなかったのは石川先生だけです。
 「進化」というテーマを描き続けたゲッターと、それに立ち向かう人間達の凶暴さを描き続けた石川先生は死んだのではない、ゲッターと共に新しい世界に行ったのだ……、二日後に私の中に出た結論はそんなものでした。勿論そんなわけはないのでしょうが、先生の事ですから、死んでもあの世で漫画を描き続けているんじゃないかと思います。そう思っています。


 そんな話を描き続けても良いのですが、キリが無さそうな上にちゃんとまとまっていませんから、今回のネタである文庫本に触れておきましょう。コミックス全3巻を文庫2巻にまとめた形で、「マジンガーZ ミケーネ恐怖の遺産」も一巻に収録されています。
 作者である石川賢先生が亡くなられているのですから、当然描き足し等は無し。最後という事で解説や永井豪先生によるコメントがあるかと期待していましたが、それも無し。「出たなゲッタードラゴン!」のカットで唐突に終わっています。
 結論から言うと、寂しかったです。これからどういう展開にするつもりだったのか、石川先生の中には大雑把な構想ができていたと言いますが、それも今となっては時既に遅しという事で。
 そういう心情を抜きにしても、唐突で終わっている事に対するフォローのようなものはあっても良かったんじゃないかと思います。幾らこれから先が「無い」とはいえ、読者に対して最後なのですから、最期の礼儀として。
 石川先生以外のゲッターは認めない、と言うつもりはありません。できればなんらかの形で、続きが見たいです……。今は「終わっていない」のですから、そんなところまで石川先生らしくされても……、なんて。