ツンデレの意味が分かってない私と貴方

 ちょっと前に書いた、ツンデレカルタの続きの話。
 あれから調べたんですが、どうも企画者さんはDEARSの中の人そのものだったようです。というか、あの騒動に当時から興味を持っていた人は割と知ってそうな話でした。あの頃と言えば、風野と二人で「アイドルマスターかぞえ唄」とかよく分からんものを作ってた時期でした。そして、2chのスレに張り付いたりってのは全然していませんでした。
 そして、ここからは大分とブラックな話ですが、その「中の人」と関係者達は、あまり業界では評判がよろしくないようです。そうなると話がこじれます。今まで「仲間内でMADを作ってただけ=お遊び」だったのに、会社の人間がそれに参加するどころか、お遊びの仲間を引っ張り出してお金儲けをするのはどうよ、という感じでしょうか。「げんしけん」でいう原口みたいな、企画力がすごいけど図々しい、というような人を想像してしまいました。失礼な話ですが。
 ただ、そうなっても、私の考えはあんまり変わらないんですよね。MADが著作権的にブラックなのは当たり前なわけですし、中の人が表でどういう地位を持っているかも、ネット上ではほとんど意味がありません。
 ツンデレカルタ騒動における数日前の私の結論が「有名同人サークルが出版社に持ち込みをする」というものでしたから、今回はその前に「出版業界に友達がいる」の言葉を付ける程度でしょうか。確かに二次創作をやってたら叩かれるのは文句の言えないことですが、同人誌は許してMADを許さないという道理は無いはずです。現に、ほとんどの人は同人誌に対して黙認の姿勢を取っていますから、それと同じぐらいには生存理由があると思います。
 どうもMADは同人誌より狭い業界のようなので、多少そういうものに敏感になってしまうのは分からないでもないですが、やってることは同じはずです。いえ、同人誌はそこにお金が動いていますから、MADの方が優しいとすら言えるかもしれません。そうなると、ツンデレカルタはさしずめ「有名サークルが合同で出したオリジナルの同人誌」と言えるのではないでしょうか。他のMADは、自分のサイトで二次創作の絵とか漫画を公開してるという感じですか。
 ……何故か、考えれば考えるほど、「MADの方がまだ許されるんじゃないか」という気がしてきました(五十歩百歩なのは分かっていますが)。MADはニコニコ動画という特性上、ニコニコ市場で多少なりとも売り上げに貢献しています。勿論同人誌でも「二次創作からファンになって原作買った」というパターンは多いですが、実際に数字として掴みやすいのは大きい気がします。
 いつだったか、二次創作の同人で生計を立てていた作家が捕まった事件があった気がします。いや、税金で揉めたんだったかな?後は「ドラえもん最終話騒動」とか、同人関係でパクられた人は結構います。が、MADでは少なくともお金儲けはしていません。ほとんど。「原作を汚している」という点では同人もMADも同じ、という条件で考えれば、MADはまだ救いようがある気がしてきました。
 勿論、「著作権侵害はしたけど、俺は金儲けをしてない!だから悪くない」と言うつもりはありません。ただ、お金が動いていないというのは「優しい世界」であることの証拠だと思います。ツンデレカルタは……正直MADそのものとはほとんど関係無いのですが、「MAD制作者が金儲けするな」という意見は、あまりにも潔癖症ではないかと思います。「優しい世界」を維持したいのは分かりますが……。
 どうもこの手の問題には結論が無いのですが、とりあえず、あんまり騒ぐことは無い気もします。会社の偉い人がMADを作るなというのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい議論ですし(偉くなかろうが、MAD自体がイカン事です。学生でも社会人でも)。


 アイマスMADというのは非常に特殊な性質を持っていますが、やっていることは「同人の一ジャンル」と大差無いと思います。一口に同人と言っても、本だけじゃなく音楽やソフトウェアの二次創作もありますし、幾らでも似たような例は探せそうです。MADはその中でお金が動いていないのですから、まだ「かわいいもの」として見守るべきじゃないかと思います。
 ……この「かわいいもの」とは、著作権侵害を理解した上での話ですがね。「自分が悪いことをやってる」の意識の上でのお遊びだということを認識すれば、実にかわいいと思います。当然、怒られたら反省します。本来は怒られる前に反省しておくべきなのですが、それだと遊べないので。