カレーが食べたい

 ちょっと思ったことがあったので、軽く。


 帰りが遅くなったので、たまたま近くにあったなか卯に入り、おいしそうだったので海鮮かき揚げ丼を注文。あまりにお腹がすいていたので、小うどんのおろしも。どうやらセットで頼めるらしく、そんなに良い組み合わせなのかとちょっと期待。
 ……確かに結構おいしかったけど、おろしうどんでは水気が少ない。お茶を飲みながらちょっと渋い顔をした私。すると店内のBGMがなか卯の宣伝に変わった。「海鮮かき揚げ丼、小うどんはいから(要するに普通のうどん)とセットでどうぞ!」……なんだか騙された気分。


 しかし、時間的には結構遅かったのだが、地理的な問題なのか、客はそこそこ。いかにも仕事帰りなスーツマンや作業着が多いなか、家族連れも。遅い晩御飯の理由はなんだろう、平日の隙に遊びに行って、帰りが遅くなったんだろうか……。
 私は子供の頃に、そんな体験をした事が無かった。「お出かけ」は結構したし、外食も、まあ無いわけではなかった(今ほど店は無かったし、田舎だったけど)。しかし、こんな時間に食べた事は無かった。朝御飯は七時、昼御飯は十二時、晩御飯は夜六時で、よくよく考えればどこに行ってもこれだけは守られていた。一日中車に乗って本州の端まで行った時も、シーズン真っ只中で出鱈目に混んでいたテーマパークの中でもだ。


 時代は変わる。今日の私がそうだったように、もう幼い日の時間通りの御飯は無理なのかもしれない。しかし、あの習慣があったおかげで、私は今でも時間の感覚を失わずにいることができる。どんなに忙しくても、夜七時ぐらいになれば「晩御飯遅くなったなあ」とため息をつく、それは大事な事じゃなかろうか。そういうリズムが残っているおかげで、一日の生活のバランスも保てるのだ。
 これから大人になる子供達は、どこで何のリズムを身につけるんだろう。それは一生残るんだろうか。