天才ドロンボー'08

 買ってきましたよー。5月に放送された特番で流れた「天才ドロンボー'08」を収録したシングルです。それだけなら「ドロンボー伝説'08」買うまで待っていようかと思っていたんですが、B面に「ドロンボー伝説'08メドレー」が収録されていたので、結局買いました。制作側としてはこれが狙いなんでしょうな。
 1000円で新曲と、アルバムの予習ができるなら買っても良いでしょう。んで、改めて聴いてみるとなかなか良い曲です。アレンジは完全に今風(リメイク版ヤッターマンっぽく)になっているので、あのノリが嫌いじゃなければそのままオススメですし、三悪のノリが昔のままですから、リメイク版があんまり好きじゃない人にもオススメできます。ボヤッキー八奈見乗児さんは例によってアドリブを入れていますし、とにかく聴いてて飽きません。
 ドロンボー伝説'08メドレーは、要するに各曲の一番を繋げたものです。天才ドロンボードロンボーのシラーケッ→ドクロベエさまに捧げる歌→さんあく30年、といった風で、ドロンボーのなげき唄のみ入っていません。曲調が合わないからでしょうか。ちなみに、ドクロベエさまに捧げる歌は山本正之さんがメインボーカルでしたが、'08では小原乃梨子さんがメインになっています。
 各曲のタイトルにはそれぞれ「'08」が付いて安部潤さんによって新アレンジされています。OVAタイムボカン王道復古」のED「―さんあく18年―君を離さない チュッ☆」のみ時の流れに合わせて「さんあく30年―」となっていますが、内容は同じです。新アレンジ、アーティストのOPが好評とか不評とか思っている人は多いでしょうが、こちらは歌い手も昔のままなので、その分当時のノリが生きていて、新OPが好きでない人にも良いのではないでしょうか。


 ちなみに、今回のアルバムはドロンボーソングを全て新アレンジでレコーディング、という感じの触れ込みではありますが、実はドロンボーソングはもう一曲あります。それは、「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」の最終話にちょこっと流れた「懐盗ドロンボー」です。「怪しく盗む」のではなく、「懐かしい盗み」と書くのがポイント。きらめきマンのサントラに収録されています。
 勿論きらめきマンでの三悪(といっても怪盗を追う刑事なので、三刑事(さんデカ)と呼ばれていますが)は「ルージュ(小原さん)」「オンドレー(たてかべさん)」「ヒエール(八奈見さん)」の「花の刑事(デカ)トリオ」であって、ドロンボーではありません。一応血縁関係はあるようですが、本編に絡んでくるわけでもありません。
 お馴染みの失敗続きで、最終話でとうとう警察を首になった三刑事。更にヒエールの子孫「ドック・リンゴ(声:山本正之)」が未来で大泥棒になっており、きらめきマンの騒動の発端である事を知り、しかもドック・リンゴはタイムマシンを破壊されて未来に帰れない。「こうなったら泥棒でもやるかー」とヤケクソ気味に決意する三刑事。すると「ポォンオンオンオンオンオンポワオンポォンオンオンオンオンオンポワオン……」と、どこかで聴いたような前奏が山本さんの「くちギター」によって流れてきて、「懐盗ドロンボー」の誕生というわけです。ちなみにこの「くちギター」、山本さんのライブでドロンボーソングを演奏する時にはお客さんと一緒にやったりします。大の大人が百人単位で集まって「ポォンオンオンオンオンオン……」と馬鹿みたいに歌う姿は、嫌でも童心に帰れます。
 尤も、あくまで「刑事だけど悪いことやっちゃうぜー」といった感じの歌詞であり、「ドロンボー」は象徴的な意味でしかありません。そういう意味では「ドロンボーソング」と言うにはちょっと外れているんですが、きらめきマンのストーリーは迷走しつつも原点回帰を目指していたように思えますし、それを象徴する「懐盗ドロンボー」はやっぱり名曲だと思うのですよ。作品的な評価もあるのか、ライブでもあまり歌われないのが残念でならないので、ここで一丁主張しておきますね。