MADってかくあるべき

 今日のネタは、昔懐かしのMADの雰囲気を感じさせる、力技と発想の勝利のようなネタ。
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 ニコマス界隈では半ば公認アイドルと化している、マンタPの「ブロリープロデューサー」シリーズです。
 通常アイマスMADはアイドルが主役となるのですが、稀に主人公=Pを中心としたMADもあります。その亜種として、Pを他のアニメや人物に置き換えて、映像を割り込ませて会話させる「MADアイマスプロデューサー」というジャンルがあります。そのはしりとなったのが、皆大好きDRAGON BALLブロリーです。
 内容は読んで字のごとく、劇場版ドラゴンボールZで何度と無くZ戦士達を苦しめたブロリーがプロデューサーとなって、アイドルとコミュニケーションしていきます。それだけ聞けばどれだけ無茶苦茶なのかはなんとなく分かると思いますが、内容はもっと支離滅裂です。
 第一、「他のアニメの映像を割り込ませて会話を成立させる」にはある程度の台詞の量が必要です。しかしブロリーは劇場版を二回やっただけ(バイオブロリーは台詞もロクに無いので使っていないようです)で、更に言えばまともに喋っていたのは最初の一回だけです。つまり、笑っちゃうぐらい台詞のパターンが少ないのです。必然的にコミュケーションの幅も狭くなるのかと思いきや、ゲームの実際のPの台詞との連携や、視聴者側の脳内補間、何よりも「繰り返し、天丼」のギャグに落とす事で無理矢理会話させています。
 ブロリープロデューサーの特徴としては、「人の台詞に割り込む」「基本的にバカ」「何かにつけて張り合う」「セクハラの常習犯(タッチイベントでは迷わず胸に)」「勤務態度そのものは意外と真面目で、常識は無いが良識はある」「べジータがよく動画に割り込んできて、即潰される」等でしょうか。他にも、美希が金髪というだけでスーパーサイヤ人だと思い込んでいたり、真を「カカロットの息子?」とか言ったりします。お気に入りはあずささんで(時点が雪歩)、「俺の嫁ェ!」らしいです。
 ちなみにブロリーは映像面での整合性は無視しているので、スーパーサイヤ人の格好だったのに、次の瞬間では初登場時の大人しいブロリーになっていたりします。ただでさえアイドルと温度差があるのに、ブロリーの中でも温度差があるという凄まじい状況には笑うしかありません。
 とにかくいろんな意味で酷いシリーズなのですが、アイドルに対し事あるごとに「カワイイ!」と萌える姿等は、アイマスに嫌悪感を持つ人でも爆笑できるのではないでしょうか。しかも相手を評価する語尾に乏しいので、「カワイイ!」を連発するしかないブロリーはシュールとしか言いようがありません。しかし、回が進むにつれてマンタP自身の編集技術も上がっていき、言葉をつぎはぎして違う台詞を喋らせる等、微妙にパワーアップしていくのも素敵です。
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 ちなみにこれが最新作。真が平然と受け答えしてるのがおかしいんですが、よく考えるとブロリー単体でも十分におかしいです。
 MAD文化は最近どんどん発展していますが、やはりMADと言えば「アラも目立つけど、それ以上に笑える」だと思うので、こういう勢いだけのネタは大好きです。ただ、そういったネタの中でもこれはとにかく力技なので、「これはこういうものなんだ」と理解できる寛容さを持たなければ、面白いとは思えないかもしれません。


 ちなみにこの「ブロリープロデューサー」シリーズ、なんと50作もあります。マンタPは他にもブロリーメインのPVも多数制作しており、一体何故そこまでブロリーにこだわるのが問わずにはいられません。マンタP自体は通常のMADも作っていたり、音弄りもできる技巧派なんですけどね。しかも、そこまでブロリーをプロデュースしておきながら、ブロリーが実はシリアスな設定を持つキャラだという事を知らなかったというのですから……、本当になんでブロリーなんだ?