時間との闘い

 本気出しても、時間はどうしようもないよね!


 ここ暫く日記を休んでいたわけですが、その間にいろいろなものを観ました。読みました。知りました。
 その中で、一番良かったのが、チャンピオンでやってる聖闘士星矢です。他の多くの人と同じように、蟹座の活躍辺りから一気に引き込まれたクチなのですが、改めて読み返してみるとやっぱり面白い。蟹座のマニゴルドさんが出てる七巻から最新刊まで買っちゃいました。普段漫画は途中から買わない主義なのですが、それを覆すほどのパワーがありましたよ。
 いえ、私は別に蟹座じゃないんですけど、むしろ魚座ですからアルバフィカ様の出てる三巻ぐらい(でしたっけ?)から買うのが筋なんだと思いますが、あんまり星座カーストに悩まされた経験もありませんので、「昔のアホが一気にカッコよくなった」というギャップ萌えでマニゴルドさんには惹かれてしまったわけですよ。
 命を命とも思わない、黄金聖闘士とは思えないチンピラ然とした性格に、冥界への入り口を開くという見るからに悪役な必殺技、そして「カニ」という存在の微妙さ。それらが全く同じでありながら、マニゴルドさんとデスマスクでは月とスッポンほどの違いがあり、むしろ「死」の象徴であるタナトスに正義の怒りをぶつけるとか、しかも前教皇も蟹座であるとか、技の特殊性を活かしてたった二人でタナトスを封印するとか、「そりゃ黄金聖衣もデスマスク見限るわ」という活躍っぷり。挙句の果てに、ピンチの時には少年時代の回想シーンまで挿入するという大盤振る舞い。
 そして、積尸気冥界波しか使わなかったデスマスクと違って、霊すなわち鬼火を燃やす「積尸気鬼蒼焔」と爆発させる「積尸気魂葬破」なる二種類の新技を使い、死後も積尸気の使い手「祭壇星座(アルター)のハクレイ」が過去の英霊を呼び出してぶつける「積尸気転霊波」を使うなど、蟹座のバーゲンセール状態。こうもプッシュされると、わけも分からず嬉しくなっちゃいますな。
 そもそも、冥界の戦士である冥闘士達に対して、冥界の技を用いる戦士がいるというのは非常に理に適った話なんですよね。なのに、原作版星矢では理よりも勢いや分かりやすさで描かれていたので、冥界の技を使う=悪役であり、後からやってきた冥闘士の頃には死んじゃっててもう絡ませようがない(ヘタレキャラになってたし)という、止むを得ない状況だったのですから、この辺のエピソードが描かれている今作は、熱さを抜きにしても興味深い話だと思います。
 あと、八巻の描き下ろしページには、何故か蟹座と魚座のツーショットがあります。他の巻では、同時期に登場したキャラであるとか、実際に本編で絡んでるキャラだとかの組み合わせなのに、魚座と蟹座は時期も合いませんし顔合わせすらしていません。……これはどういう事なのかと考えれば、やはり昔の「星座カースト」という共通点なのかしらん。でも、それだったら牡牛座のハスガード様も入れないと釣り合わない気もしますし(魚座牡牛座ならマニゴルドさんの回想でちょっとだけ出てますし)……。


 あと、個人的ヒットは一角獣星座の耶人(やと)。「一角獣星座が活躍する」だけでも十分おいしいのですが、リアクションが楽しい。使命を背負った天馬星座や覚悟の決まっている鶴星座と違い、ただの付き合いでやってきたという感じの巻き込まれっぷりがいちいち楽しいのです。それでも聖闘士としての誇りや、友達のために体を張る意地は持ち合わせているので、活躍する時はちゃんと活躍するのですからにくい。
 大体、単行本には欠かせない聖衣分解装着図の第一弾が「新生一角獣星座」でしたし、すっかり主役級の扱いです。これでユニコーンギャロップに次ぐ第二の必殺技が来れば完璧なんですけど、鶴星座も足技を使うようですから、技を受け継ぐか共に新技の修行をするかぐらいのイベントもあるかもしれませんね。


 そして今週のチャンピオンでは、とうとう蠍座「カルディア」が登場しました。まだ詳しいキャラは分かりませんが、どうやら戦闘狂のようです。しかも下っ端冥闘士を見下し拷問するなど、今までの冥王神話にはいなかったタイプです。しかし、仲間内でもそういう性格は把握しているのか、「ポセイドンに協力を願うけど、揉めるかもしれんぞ」とそそのかして働かせようという水瓶座のデジェルさん。
 カルディアさんも「神と海闘士が相手なら不足は無い」という、「サルーインをたたきころす」と言わんばかりのやる気満々状態。この手の輩が問題を起こさないはずは無いので、絶対揉めるんでしょうけど、大丈夫でしょうか……。
 そんなわけで、すっかり毎週の楽しみになっている冥王神話ですが、車田先生本家の方の連載はどうなってるんでしょうか。