リハビリテーション

 私の日記のトップに書いてある文章、たぶん結構の人が読んでると思うんですけど、ここは映画感想サイトでもあるのです。最近は風野君の話ばっかりして、「そんなんだから僕達の仲が誤解されちゃうんだよ」という山本さんと藤原さんの怪しい関係みたいなのになっていましたが、実際は映画感想サイトだったのです。実はアニメ版F-ZEROのサイトでもあるのですが、それはそれ。
 実は最近、ちょっと実生活の方で辛い出来事があり、それが映画に関わった話だったので、暫く映画を観る事を自粛していたのです。映画と向き合うのが辛かったと言ってもいいですね。映像作品として他のテレビドラマであるとか、もっと言えばニコニコ動画とも同一であるはずなのに、どうしても映画を観る事ができなかったのです。
 でもね、来月からヤッターマンが公開されるんですよ。出来はどうあれ、アレを観ないわけにはいかないんです(まあ、デビルマンよりひどい映画なんて存在しませんがねっ)。だからリハビリしていました。丁度映画館が観賞料1000円のキャンペーンをやっていたのもありましたし、先週は「ベンジャミン・バトン」今週は「チェンジリング」を観てきました。明日は映画の日で、これを観るかどうかはちょっと微妙ですが、とにかく「映画を観る」という行為に抵抗を感じる自分が情けなかったので、どうしても脱出したかったのです。
 感想はまだ書く気分にならないので書かないのですが、その代わりに映画館でずっと感じていた事を一つ書いておきます。


 ズバリ、予告編です。結構節操無く映画を観る(観ていた)私は、必然的にいろんなジャンルの映画の予告編を観るのですが、これがなかなか興味深いなーと思う次第。
 端的に言えば、邦画の予告編はクソみたいな内容ばっかりなんですよ。最初に漠然と「その作品を象徴する言葉(あるいはそれに準じる登場人物の台詞)」が掲げられ、印象的なシーンやテーマを幾つか並べて、大体時間の半分ぐらいで主題歌が「バーン!」って感じで入り、そこからまた「怒涛の展開」で、同時にメインキャストの紹介をしつつ「あの○○(映画名)の××(監督名)が手がける△△……」的なナレーションが入って映画タイトル……、大体そんな感じです。私が馬鹿なのか、そんなのばっかりに見えるんですよ。
 これのどの辺りがいけないのかって、まず「同じフォーマットで作られているから飽きる」のが第一にあります。私は主題歌の歌手名とかイケメン俳優とかどうでもいいんです。映画は顔とか声で観に行くものじゃないでしょう。確かにそれは動機のひとつではあるでしょうが(私は柴咲コウがヒロインなら結構な確率で観に行くと思いますw)、それをどう活かすかがポイントの筈です。映画のテーマはどうなのよ?って毎回思います。予告編でそれを伝えるのは難しいでしょうが、でも全部同じ構成なのは芸が無さ過ぎます。
 特に気に入らないのは上述した「時間の半分ぐらいで主題歌がバーン!」の辺りでして、ここがあまりにも「バーン!」すぎて、前半の内容が頭から飛んでいってしまうんです。その主題歌だっていきなり「バーン!」って出てくるから、それがどういう歌なのか全然頭に入ってきません。ぶっちゃけ騒音です。
 これが洋画ならどうなるかと言うと、まず最初に監督名等を出して、「あの○○の××が手がける△△……」をやってしまうわけですね。そして印象的なシーンの選び方も若干変わっていて、邦画が「あくまで印象的であればよい」というある種の投げやり感を感じるのに対して、ストーリーを追った形で印象的なシーンを切り出しています。それでいて、クライマックスのシーンは使っていません(邦画は平気でネタバレしたりします……)。主題歌はそもそも無かったり、あったとしても予告編では使わず普通の劇伴だったりで、その入れ方も様々です。ここまでの書き方で大体分かると思いますが、私は洋画の予告編の方が断然好きです。
 で、そんな事を考えながらチェンジリングを観ていたんですが、最後のスタッフロールを観てその理由がなんとなく想像できました。最初にクレジットされていたのは監督とか脚本とかの「制作」の人だったわけですね。これが邦画なら、まず主人公の俳優さんから入ると思います。要するに予告編は、最後のスタッフロールに準じて作られていたわけですね。そしてお国柄とでも言うのでしょうか、日本では俳優が重要視され、海外では役者よりも制作者が先に出るわけです。
 日本はホン書きのレベルがどんどん低下しているという話も聞きますし、他に売るものが無いんでしょうかね。尤も、「輸入される程の洋画なんだからある程度面白いのは当然」なんですけどね。


 で、ここまで書いて疑問に思ったのですが、日本アニメの予告編ってどんなのでしたっけ?勿論「邦画」の範疇なのかもしれませんが、日本の劇場アニメはほとんどがテレビシリーズの延長なので、役者紹介等を改めてする必要が無いんですよね(ゲストキャラが特別な俳優だったりして毎回ウンザリしますが……)。作品全体のテーマだって皆知ってますし、ちょっとノリが違うかもしれませんね。最近特にソッチ系の映画を全然観ていないので、今度のヤッターマン辺りを観に行く時に確認してみましょうか。