魔境伝説バクシンガー

 入江正一君はいつまで死にかけているんでしょうか。


 「ガルビオン 音質」といったキーワードで検索してくる人が増えてきました。ええ、分かってます。皆気になりますもんね。私が一番気になってました。ですから、今からCDレビューと行きましょう。前回はこちら→銀河旋風ガルビオンで、それから数日にかけて、私の恨み節が綴られています。もうだやこの会社。
 そんなわけで、ディスクユニオンから発売された「銀河烈風バクシンガー」及び「魔境伝説アクロバンチ」のCDをネガティブ全開で開封したのですが……なんと、直っています。「あの」ディスクユニオンが、まともな仕事をしています。
 勿論、まだ不満はあります。ブックレットだかライナーノーツだかが当時のLPの縮小コピーで見難いとか、肝心の「音質悪いけど許してちょ☆」の注意書きが下の方にチョロッと書いてあるだけだとか、文句はまだまだ言えます。しかし、CDで一番大事なのは、何よりもCDの音質であり、CDとしての商品価値です。
 波形ソフトとかは使うのが面倒だったんで細かい部分は知らないのですが、まずバクシンガーは93年版のスタチャ版CDとほぼ同等の音質でした。若干基本ボリュームが違うかな?という程度で、少なくとも「素人が普通のヘッドホンで聴いていても音質が悪いと感じる」という、前回のブライガーのような惨状ではありません。これならば万人にオススメできます。勿論93年版の方がインタビュー等も入っていてお得なのですが、何分今ではほとんど手に入りません。持ってない人ならば十分に「買い」でしょう。なお、DISC2のボーカル曲のトラックは「ナレーション+曲」といった構成になっていますが、これは元のLP及び93年版CDと同じ仕様ですから、ここで「ボーカル曲だけ聴きたいのに、いい加減な仕事するな」と文句を言うのは筋違いです。「J9 SPECIAL ROCK SHOW」を入手しましょう。
 一方のアクロバンチの方ですが、こちらは初CD化で、尚且つマスターテープが存在していないらしいので(これは他の国際映画社作品も同様です)、当時のLPをマスターとして音源を作成しています。よって、やはり若干のスクラッチノイズが入っているのですが……、これも「よく聴けば分かる」程度で、LP音源しかないという現状を考えると十分の出来だと思います。まあこれも、レーザーターンテーブルぐらい使えよ……というもっともなツッコミがあるんですが、この程度なら許容範囲と言えるでしょう。「主題歌の入ってるCDが『ふるえるぜHEART!』しかない」「まともに手に入るのは『アニメの大王』のセルフカバー版だけ」「丸山雅仁さんの貴重なアニメ劇伴参加作」等の事情を鑑みれば、百点満点まではいかなくても合格点です。
 ……が、重ねて書いておきますが、この程度の仕事は「製作者として当たり前」です。前回のガルビオンはほぼ初めて聴いた素人ですら「悪い」と分かる仕様でしたし、ブライガーは過去にCD化されているにもかかわらずLP収録分はわざわざLPから音を取っているという理解不能な構成でしたから、それで批判が殺到して(あるいは内部でも怒られたかもしれませんね)修正したのでしょうが……、こんな体たらくは前代未聞です。「誰もやらないような間違い」を直したからといって、褒められるわけはありません。しかもこんなのでも一度商品として世に出てしまった以上、同じ内容のCDが再び世に出る事は暫く無いでしょうから、ブライガーとガルビオンのファンはもう諦めるしかないと言って良いでしょう。今更優等生面されてもなあー……なんて。


 ま、これだけじゃちょっと殺伐としすぎなので、他の事も書いておきましょう。10月には第三弾として「銀河疾風サスライガー」及び「宇宙戦士バルディオス」のCDが発売予定となっています。今までと同様、J9は過去のCDの再発、一方のバルディオスは初CD化ですね。今回のバクシンガーアクロバンチが納得のいく出来だったので、これは素直に期待しても良いでしょう。
 なお、2chの未確認情報として、12月に「亜空大作戦スラングル」及び「ふたり鷹」のCD化が企画されているようですが、これは今回の売り上げ次第という事だそうです。……まあ、どこまで本当かは知りませんが、スラングルは私も主題歌しかCDを持ってないので、そこそこに期待しておこうと思います。でもこの企画は「国際映画社のロボットアニメ」というくくりの筈ですから、レースアニメであるふたり鷹がCD化されるかどうかは結構怪しいという気がします。
 ……山本正之ファンとしては、「おちゃめ神物語コロコロポロン」とか「ななこSOS」が出てほしいんですけどね。