宇宙へ。

 ハナクソをほじるトロ。
D
 ていうかね、この二匹にかなり救われましたよ。この映画、早く記憶から消えてくれと思ってたんですけどね、こういう風にネタにされるなら覚えてても良いですよ。


 えー、ヤッターマンの映画を観に行ったんで、サントラと一緒に感想を書こうと思っていたんですが、konozamaでいつまで経っても届かないので、先に「宇宙へ。」の方を書きます。くそー、アクロバンチも早く聞きてーよー。
 結論から言います。すっげえつまんなかったです。これの前にあった「アース」が地球の美しさを淡々と描いてて「ああ、いいもの観たなあ。地球、守らなくちゃなあ」と思わせるには十分な出来だったので、それの宇宙版だとばかり思っていたのですが、なんの事はない、NASAの宇宙開発ドキュメンタリー風映画でした。
 この「NASAの」って辺りがなかなか曲者でして、ちょっとでも詳しい人なら、宇宙開発はそもそも冷戦下でのソ連アメリカの対立の一つとして「人工衛星弾道ミサイルの開発」といった軍事的優位を求めたものが昇華されていったものであって、それ無しに宇宙開発は語れないという事は分かると思います(ものすごく大雑把ですが)。ところがこの映画にはソ連のソの字すら出てきません。ただただアメリマンセーとでも言いましょうか、「泥臭い対抗意識の結果」を「未知なる世界への挑戦」に美化しちゃっていました。まあ最後の方はそれでも良いんですけど、スプートニクの頃とかは確実にソ連に負けてたんですから、その辺りのドラマぐらい描いても良かったんじゃないかなーと思いました。
 また、この映画はNASAが設立されてから50年記念でもあるそうで、まあそういう意味ではNASA中心に描くのも正しいとは言えるんですが、タイトルとか予告からそれが全然伝わってこない辺り、「騙された」という気持ちが大きかったです。また、50年ぐらいだったら当時の人のインタビューとかあっても良いんじゃないかなーとも思いましたが、ほぼ全てが当時の記録映像等で構成されている辺りは潔いと思い直しました。
 そして、そういう風に淡々と歴史を辿っているだけなので、「なんで宇宙を目指すの?」という根本の理由はいまいち分からないままで、また「宇宙で何を得たか」にもあまり触れられていないので、全体的に宙ぶらりんな映画になっている印象を受けました。特に悲惨な事故の映像とか見せられると、「確かに悲惨だけど、そこまでしてどうして宇宙に行くの?」とか冷めた事を思ってしまい、後半はかなり退屈に思ってしまいました。宇宙から見た地球とか、貴重な当時の記録とか、画面的には面白かったんですけどね。
 あと個人的な印象ですが、日本語版の主題歌のゴスペラーズはいらなかったんじゃないかなーとかなんとか。英語の歌詞でなんかカッコよく締めた方がなんとなく啓蒙された気になるというか、日本語歌詞のドラマ性が鼻について冷めたというか、ともかくアメリカのNASAの映画なら世界共通で英語の主題歌で良い気がしました。


 余談ですが、これの公開日とその翌日の21・22日は500円という特別価格で観る事ができました。一介の映画好きとしてこれを逃す手は無いので勿論その時に観たのですが、夏休みでしかも安いおかげか、親子連れや子供のみの客が結構多かったです。で、途中から皆ぐずってました。特に、映画が終わった直後には「もう喋って良い?」とか聞こえてきましたよ。……子供の教育に良いとでも思ったのか、あるいは単に安かったからなのかは知りませんが、子供には面白くないだろうなーというのがタイトルからして分かっていたでしょうに……。
 つーか、私の座っていた席の丁度反対側ぐらいにいた何人組かは、あからさまに喋くってましたよ。五月蝿いったらありゃしない。あーいうのは誰か突っ込まないといつまでも喋り続けるだろうに、誰も注意しなかった現状も辛かったです。……まあ、500円だし、500円なりの価値しか無かったなあと、観賞の環境も併せてガックリしながら劇場を後にした私でございましたよ。
 でかい声出してでも、反対側まで注意するべきだったんでしょうかね。