F-ZEROファルコン伝説の思い出008

 まずは前回までのあらすじというか、ちょっとした忘れ物を。8話で登場した骨のブラックマジシャンですが、あの人の「抜け毛ブラックマジック」はなかなか強烈だと思いました。でも、リュウ君は最初からちょっとデコが……ゲフンゲフン。


 11話、惑星ヘルから来た少年クランクの登場です。F-ZEROパイロットではないオリジナルキャラですが、これからも登場するメインキャラのようです。世間ではショタ担当とか言われていたようですが、私は腐女子ではないので正直どうでもよかったです。でも、この手のアニメにメカ好きの少年は外せませんね。
 そして、天才クラッカーだからクランクか、という安直なネーミングセンスには突っ込まず(というより、今気づきました)、クランクの部屋に貼ってあるF-ZEROのポスターが2204年になっていた事に突っ込む私です。たぶん、放送時期が2003年から04年なので、でも舞台は2201年から02年だったりで、そこで取り違えたんだと思います。
 クランクは両親がいない事によりかなり荒んだ生活をしていましたが、キャプテン・ファルコンに父親の話を教えられ、更に「ミュートシティに行け、そして何かを掴め」と言われ、ファルコンハウスにやってきます。そして、それ以降はマスターの世話になるわけですが……。可愛い子には旅をさせろという事なのかもしれませんが、限度があります。「どこかの優しい喫茶店のマスター」に拾ってくれなかったら、どうしていたんでしょうか。クランクは仕事柄警戒心はあるでしょうが……。生憎惑星間旅行は未経験なので、クランク少年の旅は一体どれだけのものだったのか、想像も付きません。
 そして、ファルコンやクランクの視点から観ると、この話はなかなか興味深いものです。かつての友を救えなかったが、その息子は救う事ができる。しかしその息子を救おうとするのは自分ではなく、自分の分身であり仮の姿。クランクはあくまで一人であり、父もいなければ父を知る者もいない。しかし、だからこそたった一人でミュートシティにやってくる。それは過去との決別であり、自分にはまだ未来がある事の証明でもあるのだと……。少年の、裸一貫からの成長というのはグッときます。
 と、それっぽい事を書いたりしますが、当時の私は「ファルコンのヘルメットの作画が死んでるよ」とか「人のマシンは乗りにくい、分かるなあ〜コレ」とか「ファルコンがゾーダに手を出せなかったのは、ファルコンパンチでは基地もろとも吹き飛ばしてしまうからだ」とか思ってました。いやあ、あの頃は若かった……。


 なお、作画が死んでいる事はそろそろ慣れてきました。ていうか、実は私は作画はほとんど気にしないタイプなんですよね。ただなんとなく「ああ、ジャックの顔が歪んでるな」という程度で、それで観る気を無くしたり、逆に笑ったりという事はあまりありません。まあ、それとなくネタにはしますが。
 作画はヤシガニ級でないと「壊れている」とは思いません。ヤシガニは確かにすごいと思いましたが、あれに匹敵するのはそれこそガンドレス、ヴァラノワールの「御三家」とMUSASHI、キャベツぐらいではないかと。キャベツは脚本の方が酷かったですが。MUSASHIはそれ以前にいろいろなものが崩壊していますし。
 そして思い返すと、私はウニメでも無反応を貫きましたし、オリジナル笑顔なんて問題にすらしていません。……これらは脚本の方も壊れていて、それはそれで観られる出来ではなかったのですが。だから、リュウとジャックの顔がぶっ壊れていても、私は許しますよ、ええ。