なのはさん

 キレました、なのはさん。しかし、割と予想通りでした。
 今までのお話でも、なのはさんは現場主義っぽくて、訓練を大切にするタイプだという事がよく分かりますし、ティアナの頑張りは理解できても練習を活かさなければ意味が無いのも当たり前でして。なのはさんはちゃんとそれぞれの役目を考えてメニューを組んでいるんですから、そりゃ上司としては怒りたくもなります。
 それに、普段怒らない人ほど怖いんですよ。スバルは「なのはさん、優しいもん」とか言ってますが、それは致命的な間違いです。優しい人だと認識するのは良いとしても、優しさを期待して行動するのは死亡フラグの見本です。私もかつて、見返りを期待して失敗した過去がありますから、そういう理屈は非常によく分かります。
 ただこの場合の問題として、ちょっとやりすぎじゃないかという事が。素手でティアナの切り札をキャッチして、弾き飛ばすだけでもショックとしては十分ですし。その上で本気撃墜をするというのは……良い薬なのかもしれませんが、やっぱり訓練なんですよねこれ。これで仕事に支障をきたしたら意味が無いわけで。
 そうなると、次の話で明かされるであろう「なのはさん大怪我」の過去が重要になってきます。元々そういう素養があったとはいえ、なのはさんをそこまで決心させるに至った事件とは一体なんなのか。今までの話でも、他の先輩達が普通に上司としての態度や大人の対応をしていたのに対し、なのはさんはそこに加えて「達観している」ように感じられましたので、余程の事件だったと推測されます。まだ十代なのに……。


 魔法少女リリカルなのははStrikerSになってつまらなくなった、というよく聞きますが、これは当然な気もします。だって、10年も経てば心境も変わりますし、また同じ熱血バトルものをやっても面白くないわけで。何より、あの時より更に成長したなのはさん達に勝てる敵がいるとは思えません。フリーザ様も裸足で逃げ出すと思います。元々裸足どころか全裸ですが。
 なのはシリーズは少年漫画的だという評価がありますが、それで考えるならばStrikerSは青年漫画ではないかと。それも、人気少年漫画の続編を青年誌で連載する感覚に近いと思います。つまり、熱血要素は残っていても、テーマ的には大人の視点が入っていて落ち着いた、ともすると地味なお話になっているのです。
 ちなみに青年漫画になると、サービスカットは過剰になるか、あるいは減ります。私の友人は「成長したなのはなんてなのはじゃない!いやでもロリ巨乳も捨て難い……」とかほざいてましたが(なんだかんだで変身シーンでは狂喜乱舞してました)、「いい加減学びなさい!」とキサカさんばりに言いたいですね。私はすっかり擦れてしまったので、こんな地味なお話も好きですよ。


 と、書いたものの、特別珍しい意見ではないという気もしますね。誰でも考えそう。