男爵校長二巻……その二

 四コマ漫画の在り方、でしたっけ。前回の続きです。
 男爵校長はその四コマとしての方向性を「男爵校長」というキャラが端的に示していると思います。出番はあまり多くないのにタイトルを背負っている事からも分かります。
 男爵校長は、ちょっとした事件や話題が生徒達の間で上がると突然出てきて、そのテーマを微妙に間違えたものに変身して、そのままボケ倒します。これだけでは何の説明にもなっていない気もしますが、実際そんな感じです。
 要は不条理系ギャグで、一見するとその四コマは一つだけ浮いています。しかし、それで良いのです。何せ、四コマは四つのコマで完結すれば良いのですから。
 そこで笑えるのは勿論OYSTER先生の力量によるものも大きいのですが、その不条理が一つあるだけで、流れが決定していると思います。ただ四コマを垂れ流すのではなく、この男爵校長が割り込む事で連載一回分のテーマが分かりやすく示され、またテンポの良さも見えてきます。絵柄とのマッチングもかなりのもので、一回分を楽しく、しかも深く読む事ができます。
 この校長がいるといないのとでは、面白さは段違いだと思います。他のキャラがいないだけならば残ったキャラで補う事はできても、男爵校長はこの漫画のキャラではなく骨子に近い存在だと、私は考えました。


 ちなみに、アリカのボケっぷりはなかなか好きです。