君の嫌いなこの土地と、そこだって地続きだ

 私は田舎生まれの田舎育ちでして、いわゆる都会の波に揉まれるという経験をほとんどしていません。ですが、都会でないからといって、都会的なものが無いというわけでもないのです。
 昨日、ラピュタについて書いていたら忘れてしまった話なのですが……、国道を自転車で疾走している時でした。都市部から抜けて、大型のショッピングセンターなどがメインになってくる辺りで、某電器屋チェーンがありまして、その駐車場の、一番入り口に近い目立つ場所に、いたのですよ。「痛車」が。
 思わずギョッとしてハンドル切りそうになったんですが、なんとか凌ぎました。思わず写真を撮りそうになりましたが、個人の所有物ですからなんとか思い留まりました。思わずまじまじと見てしまいそうになりましたが同様の理由で以下略。
 走りながらチラリと見た感じでは、黒のミニバンの後部及び側面にギャルゲーのCG等が貼られていまして、全身コテコテというわけではありませんでした。駐車してあったので中も見えたのですが、運転席の手前の部分に大量のぬいぐるみがありました。当然、運転を阻害するほどではありませんが、十分に「大量」といえる量でした。更に、運転席には何かのキャラのタオルかカバーかがかけられていました。更に言えば、鈴平ひろ作品が多かったように見えました。あまり私は原画家に詳しくないのですが、運転席の彼女が楓っぽかったですし、目とあごがなんとなくそんな形でしたから。しかしよく考えるとSHUFFLE!西又葵先生と一緒にやっていたのですから、特別鈴平ひろ先生にこだわりがあるわけではなかったのかもしれませんね。
 ……まあつまり、チラリどころじゃありませんでした。よく見てました。すみません。名も無き走り屋さん。


 しかし、本当にあの手の車は都市部だけのものかと思っていました。勿論旅の途中だったという可能性もあるのですが、ちょっとした用事や休憩に普通電器屋は使いませんので、恐らくはどこか近所に住んでいるのでしょう。
 何故私が「痛車は都市部に多い」と思っていたのかは、恐らく都会の方が一人暮らしが多くて趣味を思いっきりできる、というような事情があるんだと思います。他にも、車をいじるほどのこだわりを見せるならば、イベントの多い都市部に住む方が自然ですし。
 しかし、近くに住んでいるんだとしたら、またどこかで見かける事になるのでしょうね。またハンドル切りそうで、ちょっと怖いです。あの電器屋にしたって、結構利用していますし。