タイトルに偽りありじゃんか

 なんだか今日ははてながメンテナンスらしいので、縮小ヴァージョンという事でF-ZEROについてのみ。F-ZEROについては書くのかよ、というツッコミは無視します。
 39話は、3クールの締めくくりに相応しい「高機動小隊、解散!」でした。
 タイトルだけ聞いて予想した大雑把なストーリーとしましては、キャプテンファルコンがいなくなったところにブラッドファルコンを始めとするダークミリオンの皆さんが攻めてきて、そのまま高機動小隊が潰れてしまう、という感じで、その後は組織の後ろ盾を無くしながらも悪に戦いを挑む、もしくは他のF-ZEROパイロットと連合軍を結成する……そんな感じでした。……だって、一旦負けながらも敗北宣言はしないという展開は熱いじゃないですか。今までのサブキャラにも、かなりおいしい人達がいましたし、彼等を活躍させる意味でもありかなあと思っていたんですが……。
 しかし考えてみれば、なんだかんだでF-ZEROファルコン伝説は子供向けアニメです。勿論「かつて子供だった大人向け」でもあるのですが、基本は分かりやすいストーリーであるべきなのです。そんな中で、高機動小隊が負けるのはまずいでしょう。ここのところハードな展開が多かったですし、この上で土台さえも崩れてしまったらちょっと暗すぎます。……本当はファルコンがいなくなった時点でかなり暗くなっている筈なのですが、何しろファルコンの先生は毎週変わらぬ笑顔を見せてくれますので……。
 実際の本編では、ブラッドファルコンが初登場した時に考えた「偽者、入れ替わりネタ」をここで使ってきました。しかもファルコンに化けるのではなく、高機動小隊の隊員や銀河連邦の長官に化ける事によって組織側からの攻撃をしてきました。これはなかなか渋い……。ありきたりな「悪事を働いて、〜の立場を悪くしよう」を応用して、誰に化ければ一番効率的かを考えてきているのですから。しかもリュウ君達は普通の公務員らしいので、長官に化けられるのはダブルで凶悪な攻撃です。
 そしてブラッドファルコンは液体人間になって化ける事に成功しました。よく原理が分かりませんが、ここまで来ればなんでもありでしょうから気にしないでおきます。「悪のファルコン」と「液体人間」というビジュアル面での二重の恐怖感と、しかも高機動小隊の外部で唯一頼れるファルコンは行方不明という、絶体絶命の状況です。
 しかし、クランクを始めとしてなんとか異変に気づき、長官は助け出しました。生き残ったブラッドファルコンはドラゴンバードに取り付きますが、マシンごと炎の中に突っ込む事で消滅させました。その炎はダークミリオンの破壊活動の結果なのですから、皮肉というよりは天晴れな最期だったのかもしれません。最期まで「悪のファルコン」であり続けました。ここまで派手にやったのですから、たぶんもう再登場はしないでしょう。……何気にファルコン伝説での初死者ですか?
 そして高機動小隊の解散は無かった事になり、それどころかダークミリオンに対する具体的な任務も負う事になりました。この時を以って、秘密組織はその存在を完全に認められたのです。
 ……と、いい感じに終わったと思ったら、なんかひどい事が起こりました。最早定番と化しているリュウ君とジャックの掛け合い漫才ですが、今回はリュウ先生とジャック先生になって某教室の音楽とともに予告をしています。いつかやるだろうなとは思っていましたが、本当にやるとは。先生は先生で対抗意識でも持ってしまわれたのか、なんかヘタクソな絵を大量に公開していますし。ホント、面白い人達です。
 しかし、どんなストーリーであろうと番組の最後には笑いで〆る、という姿勢は本当に良いと思います。F-ZEROにはあまり暗い話はありませんが、気分が暗くなっても観終わったら笑顔になるというのは、娯楽作品として最高の演出です。制作側としても、ここで設定を語ってしまえば、本編で説明台詞を減らしストーリーに専念できますし、つくづく上手くできていると思いました。