なのは様と二つ違い……?

 夏の新番組も一通り出揃いましたが、やはり期待作は「もえたん」でしょうか。なんといっても、シリーズ構成がToLOVEる長谷見沙貴先生ですので、ひたすらベタでありながらそれをネタにしている作風がよく出ています。
 まず、「どう見ても高校生じゃないだろう」という虹原いんくちゃんに対し、容赦無く「小学生」とのツッコミを入れています。あーくんが出てからの魔法アイテムの作りに関しても同様で、今までの魔法少女ものにおける「変身台詞とか意味あるの?」という疑問は「アイテムにインプットする」という回答で示しています(これは世界観にもよるのですが)。そして、見るからに怪しいパステルいんく先生の登場に対し、ナオくんは当たり前のように追い出しています。しかし、そういう「ツッコミ」を入れながらも基本ストーリーは崩していないという脚本は見事だと思います。
 一方で、コンテや演出にも光るものがあります。変身バンクでのギリギリ感とポーズを取ってからニーソがずれるまでの「間」は上手いと思いましたし、あーくんが落ちてくる時に一瞬だけ挿入された「パンツ見えた→エッチ!でメリケンサックで殴る」の二カットはわけが分からないと思いつつも笑いを誘います。いんくちゃんが照れてからあーくんを張り飛ばすまでを一カットで描いているのは、なんだか妙な快感を覚えました。普通なら張り飛ばすところで切るか、あーくんが飛ばされるカットを入れるかするところでしょうが、あくまでいんくちゃんを映して自然に張り飛ばす感じが、彼女の心理状態を上手く表していると思います。
 それと、これは誰の指示なのか分かりませんが、妙なところで小ネタが光っています。いんくちゃんを小学生呼ばわりする警察官が銭形警部チックでしたし、ナオくんの部屋にあるフィギュアを取るシーンでは、横にドリルとハンマーで武装したコンボイがいました。いんくちゃんの鏡もいわゆる手鏡ではなく思いっきり「鏡」だったので、どこから出した!?と思わず突っ込んでしまいました。
 まあそんなこんなで、ヘタクソな感想になっていますが、面白かったです。絶望先生と同じぐらい期待して観ようと思います。


 ただ、あの制服のデザインはどうにかならないのか……?私はてっきり、いんくちゃんの私服だと思っていたのですが(私服だとしても相当ありえないデザインですが)。原作では制服だったのかもしれませんが、アニメに際して設定変更しても良いと思います。
 それとも、あれも一種のネタなんでしょうか。「逸品物の萌え要素でも、少し世界を広げればこんなに違和感が出るんだよ」という、萌えに対するアンチテーゼみたいな感じの。