シャドー総帥になら抱かれても……

 LAP48「暗黒のリアクター」ですが、今回の主役もハルカでした。一言でいえば「スパイのお約束任務」ですが、問題なのはハルカにはどこにも頼る人間がいないというところです。
 とにかく、ダークミリオンの機密情報を盗んでどうにかしてリュウ君に伝えようとしますが、ゾーダに見つかってしまいました。そこでまた疑いをかけられるだけならまだしも、シャドー総帥までやってきて、しかもメッチャ怪しいにもかかわらずフォローされます。もうここまで来ると、確かにゾーダの言う通り「シャドー総帥はハルカに惚れてる」と勘繰りたくもなります。しかし、シャドー総帥の真の目的はリアクターマイトを育てる事であり、その為ならば敵に塩を贈るどころか米もおかずもドーンと贈るのは当然なのです。
 そして、データを持ったままレースが始まります。あわよくばレースのどさくさに紛れて渡そうとかなんとか考えてたみたいですが、どうやって渡すつもりだったんでしょうか。ピコにでも頼んで、データチップを危険物だと騙して撃ち込んでもらうとか……無理があるか。でも、ピコはダークミリオンじゃありませんし、仕事は詮索せずにキッチリこなすタイプでしょうし、運送会社やってますし、割といけると思うんですが、いかがでしょう。
 まあ妄言はさておいて、何かしようという時にこそ働くのがマーフィーの法則です。リュウ君達は敵意剥き出しなのは当然としても、組織がそろそろヤバイとでも思ったのか、オクトマン達が協力してミスキラーに取り入ろうと頑張ってくれます。ああ、もどかしい。
 そして、危険な敵だと判断したルーシーはハルカと共にコースアウト。彼女も暫く見ないうちになんだか荒っぽくなりましたよね。しかし、データを渡すのはこの時しかないと思ったハルカは、どうにかしてルーシーに託そうとします。……この時のルーシーの心境はどのようなものだったでしょう。自分の好きな人の昔の恋人とそっくりな敵が、その好きな人の為に頑張っているのです。こりゃもう、別の意味で敵ですよ。
 散々苦戦しましたが、なんとかデータを渡す事はできました。しかし、シャドー総帥にとってはそれで十分だったようです。若干の安心感と共に帰ってきてしまったハルカに対し、シャドー総帥は言い放ちます。「裏切ったな、ミスキラー!」……明らかに予定調和なのですが、メチャ本気です。さすが強力若本といったところですか。
 F-ZEROファルコン伝説回想録も残すところあと少しとなっていますが、ここ数週分の日記を読み直していると、自分がいかにシャドー総帥好きだったかが分かります。後半は結構記憶がごっちゃになっているところもあるのですが、シャドー総帥だけは台詞ごと思い出す事ができます。そしてそれに絡んでハルカとゾーダがやってきて、そこでストーリーを思い出す、という形になっています。本当、最終クールになって悪役勢に気合いが入りすぎですよ、このアニメ。