ちょっとだけトランスフォーマー(字幕)

 夜中に観に行きました。帰って二時間後にはもえたんなんですけどね。
 しかも、ちょいとしたミスで完成寸前のテキストが消滅。うにゃあ。


 吹き替えと字幕の違いを簡単に述べるなら、字幕版は細かいところまで翻訳しています。バンブルビーの下世話ラジオの歌詞とか、フレンジーの空耳混じりの謎言語とか(日本語喋ってると思ってました)。また、原語ならではの言葉遊びも字幕は再現しています。トランスフォーマー=変圧器でもありますから。
 しかし、吹き替え版の方がギャグや演技の質は上でしょう。元々シリアスなストーリーの中にかなりあほうなギャグが入っているのですが、吹き替えの方が際立っているように思います。特に、デブのハッカー(グレン)にチータスの高木渉さんを持ってきたのは偉いと思います。
 個人的には吹き替えの方が好きですね。元々洋画は字幕版が好きな方が多いのですが、ベテラン声優陣もなかなか凄いという事が分かりました。


 ついでに考えた、映画のテーマについてちょっと。「侵略と共存」という奴です。
 このテーマ、先にあったのか後で考えたのかは分かりませんが、トランスフォーマーで扱うにはピッタリだと思います。トランスフォーマーは地球のメカに「擬態」するわけで、擬態=大人しく隠れ住むという意味でなら「共存」となり、他のメカの要素を取り込んで支配するという考えに基づけば「侵略」になります。
 特にメガトロンは地球のメカをスキャンしていませんので、地球に溶け込む気すら無いという風にも取れます。攻撃的な侵略者です。一方でメガトロンに下克上しようとするスタースクリームF-22をスキャンしていますが、単体でも強いのに敢えて編隊の中に紛れて騙し打ちをするという、メガトロンとは逆のアプローチでの侵略の極致と呼べるでしょう。
 しかし、ディセプティコンズ(デストロン)は壊滅、メガトロンは地球の海の底、スタースクリームF-22の姿のまま宇宙に逃げていきました。完全に「負け」です。勿論続編は制作されるわけですし、両者ともこのままでは終わらないでしょうが、この映画単体で観たとしてもちゃんとオチが付いていると言えますね。
 そして共存派であるオートボッツ(サイバトロン)は擬態の姿を得て、細々と生きていく事を望みます。たった四人のエイリアンなんですから、なんとかやっていけるのではないでしょうか。種としての寿命は尽きるかもしれませんが……。
 まあ、トランスフォーマーがどうやって増えているのかは未だによく分からないところもあるのですがね(その一つの手段であろうキューブは失われたわけですし)。


 ところで、我らがコンボイは「オプティマスプライム」となっていますが、皆は「オプティマス」と呼んで、メガトロンだけは「プライム」と呼んでいました。この名前を地球のそれに当てはめて良いのかは分かりませんが、直訳すると「オプティマス=最適な〜、プライム=第一の〜」といった感じでして(プライムミニスターが「首相」です)。トランスフォーマーの設定(オプティマスの玩具にあった)も考えると、「至高のリーダー」でしょうか。
 歴代コンボイは皆がみんな「オプティマスプライム」を名乗っているというわけではなくて、ビーストコンボイは「オプティマスプライマル」で、ロディマスコンボイは「ロディマスプライム」となっています。ただ、ロディは最初から司令官というわけではなく、(結果的に)一時的に受け継いだだけの存在で、それ以前はホットロッド(日本名ホットロディマス)となっています。ビーストの方はそもそもトランスフォーマーの種類が少々違っていますし、彼は司令官ではなく一宇宙船の艦長です。
 これらを考えると(特に資料は見ていません)、プライムとはリーダーを表す言葉で、オプティマスはリーダーの名前のようなものと考えられるのではないでしょうか。一番偉い人に付けられるわけですから実質的には同じなんでしょうが、同志ならば「リーダー」と呼ぶよりは名前で呼びたいですよね。メガトロンにはそんな馴れ合いはいらないので、「プライム」とだけ呼ぶのでしょう。