心臓破り爆弾コミケ53

 四日市のオールジャンル即売会に行ってきました。地元というか、コミケ以外のイベントに行くのは初めてという阿呆でして、しかも四日市出身の友人も知らなかったというオマケ付きです。アホ二人、参上という感じですか。
 今週の電王を観て「ああ、終盤に入っていくんだなあ」と想いを馳せてから出発、四日市に着くまでは良かったのですが、文化会館に行く途中で見知らぬおばさんに道を尋ねられました。「文化会館ってどこですか?」……私、四日市出身じゃないんですけど。どうして私は、旅先で道を尋ねられる事が多いのでしょうね。
 しかし、尋ねられた場所は文化会館とは目と鼻の先。正直、なんで尋ねたのか分からない距離です。近くの標識だか矢印だかにも書いてありましたし、道に迷う人に必要なのは冷静さだと思いました。ま、そんな事はおくびにも出さず、勿論私が旅人だという事も言わず、真直ぐ行けばありますよ、と返しておきました。……本当に真直ぐ行ったところにあるんだから、しょうがない……。
 そして私も文化会館に到着、したは良いのですが、それらしき気配がありません。いつも通り(?)の静かな空間が広がっています。案内板を見てもそれらしきものは無し。私が暫く悩んでいると、文化会館には似合わない若い女性のグループが奥に入っていくのが見えました。不思議に思って行ってみると、そこが会場でした。「まねき猫」とか案内板に書いてあったのはカモフラージュですか。
 どことなくゲリラ的な臭いを感じながらも(一般の方への配慮だとは思いますが)、なんとか入場、購入必須のパンフレットは300円でした。そして入ってみると、まあ若い女性の多い事多いこと。下は中学生、上は30前という感じでしょうか、とにかく売り手も買い手も皆が若い。男性は数える程しかおらず、その中ではなんとなく内容も想像できるという感じで、やはりジャンプ系が主流でした。ジャンプの他には特撮やオリジナル、小物等の創作系も少々という感じですね。


 行ってみた印象は、どこか懐かしさを覚えるものでした。「同人」という言葉を知らず、なんとなくジャンプの話題をしたり、それっぽい絵や小説を書いてみたり、そういう事をしていた時代が私にもありまして、それと近い空気がありました。あの時の私が同人を覚えていたら、こういうイベントで拙いものを展示していたのかなあという気がします。
 これは悪口ではありませんが、人間歳を取れば段々とできない事も増えていきます。正直言うと、この中には恥ずかしいものもありました。しかし、そういう「形になるもの」を作っているのは幸せなんじゃないかと思います。私がまともに同人などを知ったのはここ数年ですから、乗り遅れてしまった気がします。
 実は、ここの雰囲気如何では何か作ってサークル参加しようかとも思っていたのですが、(最近のもので)アニメと言えばF-ZEROという私にしてみれば、このイベントには参加するのはちょっと悪いかなと思いました。あまりにも若い子達が多すぎて、私には似つかわしくありません。勿論「来る者は拒まず」が同人の基本なのだとは思いますが、今の私にはもっと相応しい場所があると思いました。
 実際、私は若い頃から今までに至るまで、同世代の人間とは話が合わない事ばかりです。別の意味で「俺はこんな田舎で燻ってるような人間じゃねえ」という感じでしょうか。四日市での経験は、悪いものではありませんし、一般参加させてくれるならばしたいというものですが、私の「同人」をこの世界に持ち込むのは止めておきます。若い世代の女性が中心となって和気藹々としている、そこが壊れるような気がしますから。


 田舎のイベントというのは、そういう世界への入門でもあるのでしょう。入門の道をそもそも間違えた頭でっかちな私は、どこに行けば良いんでしょうね。コミケへ行くのは体力的に辛いですし、やはりネットで細々と活動するのが私に合っているのかもしれません。