北極のナヌー

 数日前に観に行ったのですが、いやあ、良い映画でした。……と言いたいところですが、結局地球温暖化がどうのの問題に落としてるのはちょっとつまらないかなあとか思いました。だって、ああいうのを見せられれば「言われなくても」行動を起こすと思うんですよ。そういう力がある映画だと思います。
 北極が近年厳しい環境になっていて、それを白熊とかアザラシの成長と絡める事で上手く描けるのは分かりますけど、どこまでドキュメンタリーなのかなあとちょっと疑ってしまう私はダメ人間なんでしょうかね。三年の間に劇的な何かが起こるわけではないので(じわじわと厳しくなる環境という奴がありますが)、「ちゃんと三年撮ったのかな」という感じで。私はドキュメンタリー映画の手法を知らないものでアホな事を書いているのかもしれませんが、とにかくそんな感じの事が気になりました。
 まあ、北極の生物の面白さと北極の危機を描いただけでも、この映画の価値は十分にあると思います。とにかく、未知の環境はそれだけで興味深いので、それに対して何かアクションを起こすきっかけとしてこの映画は正しい効果を発揮しているでしょう。
 ただ一つだけむにゃーと思ったのが、ナレーションの稲垣吾郎さん。下手じゃないんですけど、上手くもないんですよね。ナレーションの「ここぞ」というポイントを外しているという感じで、またこの映画におけるナレーションの立ち位置はナヌー達の側にあるわけですが、ナヌー達の感情を代弁できていたかというとどうかなあ?と首を捻ったり。まあ、ある種の「拙さ」がかえって良い作用を起こしているのかもしれませんが。
 ぶっちゃけた話、ナレーションはいらなかったんじゃないかとすら思います。画面を見せられるだけでも伝わるものはありますし、北極の生物の感情を代弁するなんて日本人にできるわけがないと思いますので。音楽が場を盛り上げてくれますし、声は抑えめにするのもありだったんじゃないかなあ……なんて。


 なんかフラフラした文章です。ごめんなさい。今日はもういろいろと限界です。