アイマスー

 L4U!を風野が買ってきたので、一緒にやりました。いい歳こいたアホ二人。ちなみに、名前は私の「石川」にしていました。どうも「P=風野シュレン」という認識は変えなくない模様。まあ気持ちは分かりますけど、私は風野シュレンPをプロデュースしてる人間だということを忘れちゃ困るなあ。
 私と風野のゲームの趣味は割と似通っていて、「面白ければなんでもやる」タイプです。ただ、ひたすらにクリックしていくだけのギャルゲーなどはちょっと抵抗感があるのですが。その意味ではアイマスは「突然制限時間での選択肢とか、ミニゲームとかあるから緊張感があって良い」との事。モニターの中にいる年頃の女の子と仲良くするために、いつ来るか分からない選択肢やタッチイベントに身構えておくとは、まるで中学生の男女交際のようですね。財布の中のコンドームがお守りのように未使用のままだったりしそう。
 で、二人の共通点がもう一つ。「音ゲーはほとんどやったことが無い」のです。アイマスのレッスンは音ゲーというほど長くはありませんし(あの程度のミニゲームならいろんなゲームにあります)、曲が終わるまでの二分間は思った以上に力を使いました。流れるボタンに意識を持っていかれ、アイドルの応援なんてしていられません。応援するための音ゲーのはずなのに……。これでも音ゲーとしてはぬるい方だというのですから、正直年寄りには辛いのですよ。
 結局、EASYなら割と簡単に100%突破できるのですが、NORMAL以上はまず最後までドッチラケにならぬようプレイするだけでも精一杯。風野は一応音楽的なセンスがあるので、リズムやテンポはすぐ分かるのですが、六種類のコマンドをこんがらがらずにパッキリと合わせるのは意外と大変なようで、GOMYWAY!!を20回ぐらい繰り返していました。ていうか、ライブをリトライできるのね……。
 そういったことを何度か繰り返しているうちに、すっかり疲れ切ってしまいました。いやあ、良い遊び道具だわ。……冗談でなく、「ライブを応援する」しかやることが無いゲームなので、ツボにはまるとすごく面白いのですよ。ゲームに娯楽ではなく単純作業を求める人にはオススメかもしれません。それと、やたら疲れたので、ライブを成功させた時の達成感は結構ありました。力技で成功させた気分なんですけどね……。
 後は、アイドル達を着せ替えてる瞬間。自分達がプロデューサーなら「どういった衣装ならステージで映えるだろう」という心配をするわけですが、今回はファン代表なので「憧れの春香ちゃんにあんな衣装やこんなアクセサリーをぐへへへ」のような他人事気分で楽しめます。いえ、人によりますが……、しかし、実際着せ替え人形で遊んだ事がある人なら案外面白いかもしれません。衣装とアクセサリーを統一するも良し、一見奇抜な組み合わせでもステージで踊る場合を考えるとか、アイドルを育てる必要が無いので気楽に選べるのです(無印アイマスではステータスの変化等もありますしね、一応)。
 ちなみに、今回は事務員の音無小鳥さんが主人公のバックアップに付いてるわけですが、ちょっと成績が良いと主人公が小鳥さんにいろいろ質問したりします。どうもファンの中でも小鳥さんは人気者という事になっている模様。ぶっちゃけ、今回のメインヒロインは小鳥さんです。それぐらい一杯出番があります。主人公も「765プロのアイドルのファン代表」とか言いながら、本命は小鳥さんとしか思えません。私は小鳥さんみたいな人は、友達としてなら良いんですけど……。


 そして、限定版のアニメDVDも一緒に観ました。15分程の短編アニメなのですが、監督とコンテが川口敬一郎さん、キャラデザが西尾公伯、アニメ制作はアクタス……端的に言えば「もえたん」のスタッフです。これは期待せざるをえない。コメントによると、監督自身もアイマスのファンらしいです。


 以下、ネタバレです。ていうか、書いちゃって良いのかな。一応限定だから(某YMD電機には通常版より一杯ありました)まずいかも……、……まあいいか。


 ストーリーは、今回の本編である「ファン感謝祭」の前日の話。春香、千早、美希の三人が中心で、他のアイドルは脇役です。つまり、りっちゃんの出番が少ないのです。これは残念です。本当に残念です。りっちゃんが出ない時点で駄作決定じゃないですか……というのは冗談です。そこまで想い入れはありません。が、あの脚本でもりっちゃんのりっちゃんらしさはもうちょっと出せたと思うのですよ。ちなみに脚本は西園悟さん、春から「絶対可憐チルドレン」のシリーズ構成をする人です。絶チルも川口監督ですから、春から期待しています。
 ファン感謝祭に向けて練習を積む千早、それに付き合う春香と美希、そして電車で帰ろうとするのですが、なんと寝過ごしてしまったらしく、起きたら山奥でした。ここで風野が「高尾まで行っちゃったよ……」とかチータスの声真似で言いやがるので思いっきり噴きました。声のタイミングも完璧でしたし。ていうか、よくあれだけで「高尾」を連想できるな……。
 そして拾ったタクシーがエンスト、更に辿り着いた民家では迎え入れてくれた男達が強盗と思しき物騒な相談をするなど、災難続き。携帯も奪われ、夜中になんとか逃げ出して、近くの長距離トラックの運ちゃんに助けを求めるものの、本気にされません。このままではライブに間に合わないし、トラックの行き先は東京とは反対だと言います。しかし美希は何か秘策があるのか、こっそり後ろに乗り込みました。このまま札幌の全日本ラーメン祭りまで行くのかと思いましたが、風野の高尾ほど面白くはなさそうだったので言いませんでした。それにしても、ここで包丁人味平が出てくる私は、本当にアイマスが好きなのかどうか自問したくなります。
 しかし、結局どこかの海沿いの道で見つかって降ろされた三人。今までどこか態度がおかしかった美希がここで語るところによると、どうも「イベント前日にアクシデント発生」というテレビのドッキリだったようです(春香だったら良いリアクションが取れると思ってたんでしょうか)。そして、トラックを降りればいつの間にか会場の目の前、「まあ不思議、間に合ったわ!」というオチだったらしいのですが……、どうもトラックは仕込みではなく手違いで一般の運ちゃんを捕まえてしまった模様。美希がPとの連絡用にもう一つ持っていた携帯のGPSで現在位置だけは分かったので、他の765プロの皆とも協力して、電車まで走る三人。
 しかし、最後の頼みの綱とも言える新幹線に乗り遅れてしまい、到着は絶望的な状態に。しかしそれでも歩き出す春香。「ファンの皆が待ってる。今からでも、フィナーレには間に合うかもしれない」と……。うむ、正しき主人公の姿。そこに一陣の風がやってくる。ああ、あれは(たぶん)シコルスキーMH-53「ペイブロウ」、トランスフォーマーで言うところの「ブラックアウト」ではないか!伊織の財力に不可能は無いのだ!
 時間もギリギリになって、なんとかヘリで東京に帰ってこれた三人、走ればまだ間に合う!しかし後一歩のところでずっこける春香。「実にもえたんっぽいコケ方春香らしいの」と美希。何はともあれ、ファン感謝祭は無事に行われましたとさ、めでたしめでたし。
 15分ほどの短編なので、10人全員を出すのは難しいというのは当然ですが、この三人にしたのは分かりやすくて良いんじゃないでしょうか。性格的に嫌味やしつこさの無い、言うなればストーリーを進めやすい三人です。尤も、その理屈では春香以外は全員どこかに引っかかりがあるのですが、美希は「ドッキリの仕掛け人」とする事で普段の怠け気味な性格を抑え、千早は「遅れたのは自分の責任でもある」となるような構成ですから、劇中では普段の冷静さや大人びた面を出しています。春香は……、なんでしたっけ?……そう、ラストがカッコいいのです。どんな話であろうと最後を締めるには、春香以外にはありますまい。それに春香なら、どこでこけても違和感がありません。
 ただ、こういう短編で思うのが、「そこまで話を大きくしてどうするんだ?」てな事。わざわざ春香達を日本海側まで飛ばす必要は「無い」ので、もう少し大人しい話でも良かった気もします。まあ、それぞれのアイドルの日常とかを描いたら15分どころか1時間でも足りないでしょうし、東京近辺でトラブルなんて起きないでしょうから、しょうがないといえばしょうがないのですが。なんだかんだで「アニメはアクションありき」ですしね。ステージの上でしか動かないアイドルが、アニメになって動いてるというだけでも十分価値はありますから、どうせ動くなら思いっきり動かした方が……て、もう意見が変わってるじゃないか。
 あと良いと思ったのが、事務所が一番最初の雑居ビルだったところでしょうか。やはりあの「都庁より大きそうな事務所」だと気後れしてしまいますし、あの方がアイドル達の生活感があって好きですね。でもそうなると、765プロは人気アイドルを10人もプロデュースしつつそんな小さい事務所にいるわけで……。欲が全然無いのか、社長やプロデューサーやりっちゃんが滅茶苦茶優秀だから事務所移転の必要が無いのか(個人的には、小鳥さんは無能とまではいかなくても、優秀には思えなかったり)……。芸能、それもアイドル事務所ともなれば対面的な問題もあるでしょうに、それとも立地条件が意外に良かったりするんでしょうか。駅やコンビニ等主要施設が全て徒歩3分以内にあるとか、隣のラーメン屋が異様にうまいとか、社長はあのビルを出ると空気に溶けて死んでしまうとか、そんな理由。