学校出てから十余年

 今じゃちんけなニコ厨よ。


 ふと、取り留めの無い事を考えました。Wizardryについてなんですけどね。あのゲーム、そんなに良かったかなあ?と。
 ニコニコ動画でWIZ関連の動画を観ていたんですが、「懐かしい」みたいなコメントが並ぶのは良いとして、「ゆとりにはオススメできん」とか「リセット封印したらメチャむずい」みたいなコメントもちらほら。それって、WIZに幻想を持ってない?と私は思うのですよ。
 WIZの面白さなんてのは、ここでは語りません。私も最高に好きですし、皆も好きでしょうし。しかし、ゲームとしてのWizardryというのは、現在のゲームにおける「基本」の要素でしかないと思います。つまり、面白さは普通。WIZを基本にしてRPGのシステムは作られていったんですから(他にも源流はありますが)、「基本的な面白さ」があるだけです。
 例えば、「死んだらそれまで」という話があります。ロストしたら絶対に蘇らないよーという、パッと考えれば鬼のような話。しかし、それは普通です。昨今のゲームなら「ゲームオーバー」になるところで、そうならないという程度で。第一、アクションゲームとかも死んだらおしまいですし、不思議のダンジョンだってやり直しが効かないのです。それに私にしてみれば、WIZよりもキングスナイトとか仮面ライダー倶楽部の方がよっぽどシビアです。あれはマジ鬼畜。
 それと思うんですが、「ゲームなんて、普通にプレイしていれば死にません」。ドラクエでも、勇者一人で旅に出たらすぐ死にます。それと同じで、自分が負けるのは、大抵自分が無謀だから。6人パーティを組んで、弱い敵にもカティノ(最初から使える眠りの魔法)を使えば、苦戦はしても死亡はまずありません。ましてや全滅なんて。
 それでも敢えて「難しい」というならば、あのゲームは少々不親切です。というのも、序盤で編み出した敵との戦い方が後半まで通用するので、「戦いのコツ」みたいなのを説明書に書いておくと、それだけで難易度が激減するんですな。だから多少難しくても、自分で考えて攻略してほしいという開発者なりのメッセージなんだと思います(何にも考えてなかったという可能性も十分にありますが……)
 これは言うなれば、「死んで覚える」ゲームです。マリオで初めてアクションゲームに触れた人なら、最初のクリボーやノコノコに何度と無く倒されたでしょう。でも、そのおかげでハンマーブロスも初見でかわせたりするのです。それと同じで、多少の犠牲はしょうがないと思う心構えこそが必要なのです。
 それでもやってくるのは、テレポーターで「いしのなかにいる」とかですが、最強になっても勝てない要素の一つぐらいはあった方が緊張感があります。第一、「強くてニューゲーム」とか「アクションリプレイ」とか、そんなプレイはすぐ飽きます。そうでなくとも、最強装備に魔法全部覚えた状態とかになると、まあ余程の事が無い限り負けません。でも、そんなのつまらないじゃないですか。いつまでも遊べるように、「不確定要素」だけは残っているのです。なんという心意気。
 それに、一度も全滅せずにクリアできるRPGなんて、私は嫌ですよ。「ああ、あそこで負けたんだっけなあ」と後になって語れるようなゲームこそ、心に残るというものです。でも、「死にそうだけど、上手くやれば一度も全滅せずにクリアできる」バランスは大好きですが。サガ2とかがそうでした。あれは本当に絶妙のバランスです。オーディンが無言で襲ってきた時は肝を冷やしましたが。
 エナジードレインされたらリセットする人もいるかもしれませんが、あれも厳しいのは最初だけです。誰が使ってくるのか見極めて先手を打つなりすれば大抵防げますし、ある程度レベルが上がればどうでもよくなります。それでもリセットする人は、脊髄反射でゲームをプレイしているか、「自分のキャラクターが傷つくのが耐えられない!」というナルシストじゃないかと思います。傷だらけの美しさだってあるのにね。


 そんなわけで、WIZを愛してはいても、崇拝してはいない私がちょいと書いてみました。なんだかどっかで書いたような文章なんですが、まあ気にしない気にしない。
 ちなみに私、最近のWIZは全然やってません。純粋に面白くなさそうですし(システム丸パクリはちょっと……)、私はWIZ信者ではありませんから。ただ、ジジイゲーマーが懐かしさだけでプレイできるほど、WIZは安くはないと思います。


 あとずっと思ってたこと。WIZ#4って、コメディだと思うんですけど。
 だって、ワードナのじいさんがちんけなトラップとか新米の冒険者にボコボコやられていく様は、繰り返しギャグを得意とする体張った芸人みたいで、すげえ笑えます。テキスト量も膨大でパロディも容赦無く入ってますし。
 私の中でのワードナ様は、ベニ松が書いた「偉大なる魔法使い」みたいなのではなく、「アメリカの西海岸在住の年中半ズボンで過ごす陽気なおっさん」のイメージです。「ガハハ」とか笑いながら下品なアメリカンジョークもバンバン飛ばして、夕方になると行きつけの酒場で昔の武勇伝を脚色しまくって語るのが日常になってて、他の客からうざがられながらも愛される、そんな感じのコテコテのおじさんです。もう、ワードナ様大好き。