仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事

 観たのは、確か先週です。四日市では三週間遅れの公開ですって。どぎゃーん。どぎゃーん。


 良い映画でした。なんというか、内容なんて全然無くて、「電王が面白かったから、あのままのノリでもう一本映画作ってみたよ!」という感じの、大雑把なお話でした。モモが騒いだりウラさんが色気振りまいたり、そんな感じ。
 オーナーが持っていたパスを盗まれて、なんとかして取り返さなければという大元のストーリーは真面目なんですが、そこでなんで「警察」を立ち上げて一般の協力を取り付けなけりゃいかんのかとか、イマジンが世間的にばれてるのはどうなんだとか、細かいところでなくともツッコミどころは満載です。でもそんなこと気にしてちゃ楽しめません。でも、さり気に劇場版の雑魚イマジン四人が指名手配で貼り紙されてたのには笑いました。そういうどうでもいいところにはこだわる姿勢がたまりません。
 そして、肝心のキバとの絡みですが……キバはほとんどチョイ役で、絡みといえるほど無かったのは残念。ゲストとか顔見せとか、そんな感じの出番ですな。ただ、電王の世界においてファンガイアを「最近暴れ始めた」とかなんとか言っていたので、パラレルワールドなのかそのままの続きといえるのか興味深いところに落としたのは、どうなんだろう……?
 絡みでちょっと特殊だったのが、仮面ライダーキバこと渡にモモタロスが入った「M渡」と、デンライナーと共に時空間に現れたキャッスルドラン。M渡はギャグみたいなものだからどうでもいいとしても、キャッスルドランはそれで良いのか?あの時の空間がどうなっているのかよく分からないのですが……。
 ちなみに、イマジンは電王が倒してキバはファンガイア〜のような協力シーンがあるかというと、全然ありません。ファンガイアの大群は全部ベガフォームが打ちのめし(メチャ強い!)、キバはラストで電王と一緒に必殺キックを放つだけです。
 敵はファンガイアと組んだイマジン、その名も「ネガタロス」。モモタロスをそのまま悪くしたような黒基調の外見で、悪役ボイスの緑川光さんが超素敵。そして奪ったパスでなんと自らがライダーに変身します。これも紫色で怪しいパターンが入ったソードフォームのようで、デンガッシャーも四つのモードを全て使いこなします。なんというか、オマケにするには勿体ないカッコよさ。尤も、モモタロスそのままなので本編では使いにくいキャラクターかもしれませんが。ちなみに目的は「最強の悪の組織を立ち上げる」そうで、その為にイマジンとファンガイアを手下にしているようです。
 刑事ものという事で、刑事ドラマばりの人間のアクションシーンもあります。一般の署から協力として配属された新人刑事も、敵の組織にいた犯罪者と派手な立ち回りを演じてくれます。が、その辺の面白さはあれど、おいしいところは全部ハナさん(コハナちゃん)が持っていってしまいました。前々から肉体派のところがありましたが、「(犯罪者を捕らえる)邪魔はさせない!」と手下達に向かって啖呵を切る辺りは、ギャグだったはずの描写が何故かシリアスなシーンになっているじゃありませんか。
 車から降りたと思ったら背中に担いだRPGをぶっ放し、特撮まで使って大ジャンプして手下を蹴り倒し、うち一人の刀使いに対し鉄パイプで応戦する様はマジにカッコいいです。これ何の映画だっけ?とか思いました。仮面ライダーの映画の筈なのに、「小さいけど強い女の子が主役のアクションもの」でも成り立つような気がしてきました。勿論、一年間のギャグあってこそ震えるシーンなんですけどね。


 シリアスなシーンはあれど、基本的に電王の「ノリ」で作られた映画です。アハハと笑えればそれで十分という感じで、すっごく楽しめました。