兄貴誕生祭

 今日はニコニコ動画の「兄貴」ことビリー・ヘリントン氏の誕生日です。兄貴に関しては、なんていうか、今更説明するのもアレな気もするので、動画紹介だけにしておきますね。
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 この動画を作った「わかまらP」というのは、どうやら「ちんこうP」と同じで、ニコマス界隈における笑い男、つまり「スタンドアローンコンプレックス」のような存在です。複数のプロデューサーがソッチ系のネタを発信する際に「ちんこうP」名義になるといった感じで、ガチムチ系のネタとアイマスが混ざった時に「わかまらP」なる人物が登場するわけです。
 ちなみに「わかまらP」の名前は、技術や知名度等でトップクラスのP「わかむらP」のパロディで、実際わかむらPのMADをそのままパロディしたネタもあります。わかむらP自身はそういった自身のネタキャラ化に寛容な人なので、いつの間にか認知されてしまいました。
 第一、ニコニコ動画の「兄貴」は釣り動画のオチだったはずなのですが、いつの間にかニコニコ動画には欠かせない名キャラとなってしまい、そして「どんなネタにも食いつく」ニコマス界隈がそれを放っておくわけもなく、「ガチムチm@ster」なるタグも機能する有様。さすがにネタがネタなので拒否反応を示す人も多いのですが、普通に名作と化しているMADも一つや二つではありません。


 兄貴ネタはジャンルを問わずクオリティが高いものが多く(ケツドラム系は特に)、その意味ではニコマス界隈にも通じるところがあるのですが、しかし、そのクオリティの力の出所は全く違うんだろうなとも思えます。基本的にMADは「完全に趣味」なので、その分力が入る傾向があるのですが、アイマスの場合「ゲームにも動画編集にも金がかかる=それなりに大人」が多いのに対し、兄貴は「誰にも理解されない、素材が少ない=その分集中できる」といった飢餓感から得体の知れないパワーを得ていると思います。今では兄貴も人気キャラではありますが、どこまでいってもマイノリティなイメージは拭えません。
 あと、ニコマス界隈のもう一つ興味深いところは「大人が多い=様々な事態を冷静に対処できる」にあると思います。例えばつい最近、ニコニコ動画がMADを消すという話が出た時に、どのジャンルでも嘆きの声が聞こえてきたのですが、アイマス系だけは「元々『消されたらしょうがない』のスタンスだし、消えてから考える」といった意見が多数派でした。勿論消される前に名作を保存しようという動きもありましたが、かなり冷静に「Xデー」を迎えていました(実際にはあまり変化が起きなかったんですがね)。しかし、一方で兄貴はネタがネタなので、中途半端な覚悟では参入すらできません。どこに行っても嫌われてるという意識もあるので、やはり事態を冷静に観る事ができています。
 ニコマスと兄貴。全く別のジャンルで、しかも「持つ者」と「持たざる者」の対象性があるにも関わらず、この二種類はどこか似ています。常時華やかなニコマスと、常に底辺を突っ走る兄貴。しかしニコマスの裏では常に激しい生存競争が行われていますし、兄貴は名作になればなるほど「ケツドラムがケツに聞こえない」等の賞賛コメントが付く状況。そして共通しているのは、「大抵のジャンルとのコラボがある」事。しかも「コラボ先のジャンル」からは嫌われる事が多いというパターンも似ています。
 そこまでして、どうして兄貴なのか。どうしてアイマスなのか。恐らく、制作者にすら分かっていないでしょう。ただ、「面白ければそれで良い」。本当、面白ければ良いんですよ。MADなんて。そして、他のジャンルから嫌われても「仕方ないね」で済ませる寛容さ。全く歪みねぇ話です。


 ちなみに私、兄貴ネタは大好きですし、兄貴自体も結構好きです。男性女性問わず、肉体美が好き。