天上天下唯我独魂(ソウル)

 「悪徒」を最新刊まで大人買いしてきました。最新号のチャンピオンも買って、これでクラスの皆の話題にも置いていかれないぞ!憧れのあの子にも大接近だ!


 …………なんつって、打ち切りですよ、打ち切り。まあチャンピオンには珍しくないんですが、でも好きだった漫画が打ち切られるのは残念なのですよ。しかも、この最新号のチャンピオンってのが最終回なわけですが、なんというか、これはひどい。よく打ち切り漫画は「あれ?俺一週読み飛ばしたっけ?」というキングクリムゾン状態にかかると言われますが、これはひどい。大事な事なので二回書きました。一週どころか、丸々一巻分ぐらい読み飛ばした気分ですよ。
 おかしいのは話だけではありません。あらすじの長さとキャラの多さ、そして作品全体に漂うパワーを見るに、「ああ、ここまで本気で作ってたんだなあ」というのが伝わってくるんですよ。先週のラストに突如登場した謎の新キャラ(笑)マスクドノーサイドに始まり、五対五の闘いが始まると思いきや既に終わっていて、いつの間にか悟りを開くどころか素で宙に浮いている金坐座さん、ギブスから謎のロボットアームを出してる反待、すっかり忘れてたACT-スカルが何気に重要キャラになってて、スカジャン重ね着で竜虎モードとか、ああもう書ききれない。これらの要素が、ネタとかヤケクソじゃなくかなり本気で作られてたんだと思うと、余計「打ち切り」が輝いてしまいます。もう良いんだ、無理するな!お前は良くやった!ちくしょう……ッ!
 個人的な印象で語るならチャンピオンって、自由なんですよね。描かれてる漫画が、全部楽しそうなんですよ。面白さは別として、読んでて気持ち良いんです。でも、自由ってのは言い換えれば、全部自己責任でもあるんです。「人気無いなら切る」というのはどこの業界でもそうなんですけど、そこで編集が手伝ってくれない感覚がチャンピオンにはあるんです。人気とか売り上げは自分の力で掴まなきゃダメ。責任があるからこその、自由。編集者は漫画家に対してノーサイド!なのです。
 今週のチャンピオンと単行本二冊で1100円。安いものです。でもそういった安さが集まればもう一度漫画がACTするかもしれない。そう思うと、買わずにはいられなかったのですよ。
 ああ、単純な漫画が読みたい。ストレートな漫画が読みたい。悪徒がもっと読みたい。