オバマさん万歳

 アイマスSPの新しいテーマソングというかイメージソングというか、とにかく「Colorful Days」と「オーバーマスター」のシングル買ってきました。こりゃあなかなか面白い曲ですね。


 「Colorful Days」はSPにおける765プロの新曲という事で、今までの曲の延長線上にあります。各アイドルのイメージカラー(美希含む)を歌詞に織り込んでおり、全員が歌う曲として相応しい構成ですね。微妙にダサい辺りも、765プロひいてはアイマスの作風を象徴しているようで面白いんじゃないでしょうか。ただ、美希が「フレッシュグリーン」なのは良いとして、りっちゃんが「ノーマルグリーン」ってのはどうにかならなかったんでしょうか。
 今回はアイマスでは珍しい(初かな?)シングルという事で、カップリング曲もあります。タイトルは「スキ」、説明するまでもないような可愛い感じの曲です。ただ、今までのパターンからして、こちらはゲームでは使えないんでしょうね。また、カバー曲としてカズンの「サイレントナイト」が収録されており、世界観に深みを与えています。曲調も三者三様で、このクオリティで三曲聴けるんだったらなかなかお得。
 一方「オーバーマスター」はライバル事務所961プロの新曲で、ポップで可愛らしい感じでまとめている765プロとは対照的にクールにカッコいい曲です。カップリング曲は「スキ」の反対である「KisS」、カバー曲はケツメイシの「聖なる夜に」という三曲構成。オーバーマスターには961プロの三人の名前が歌詞に織り込まれている等、テーマそのものは765プロと同じなんですが、アプローチの仕方が真逆なのがいかにもライバルといった感じです。


 で、まあここまでは買った人なら誰でも考え付く事なわけですが(ここからも特別な話ではありませんが)、765プロ961プロの対立というのが、このシングル発売の時点で表現されているのが興味深いなあと思った次第です。
 アイマスの世界は当然アイドルを中心に作られているわけですが、765プロの曲はどれも過去のアイドルソングのイメージに通じるものがありまして、キャラデザ等も相まって、「新しいゲームなのに古くさくも感じる」という感想が出てきます。
 そして今回の961プロの「オーバーマスター」は、やはりアイドルソングではあるのですが、ちょっとだけ新しい時代を意識して作曲されているように思います。90年代から2000年代にかかるぐらいの、メディアや世間におけるアイドルの定義が変わってくるような時代の曲といいましょうか。あの時代の曲は確かに完成度は高かったのですが、どことなく薄っぺらさのようなものも感じられて、言葉は悪いですが粗製乱造の曲に思えました。
 そして、961プロは公式サイトからして手作り感溢れる765プロとは違い、莫大な資金力を元手にどんどん売り出す戦略を得意としているようです(765プロが貧乏なのは公式設定です)。この辺りのイメージがあの時代のJ-POPを意識しているのかなあという風に思ったり思わなかったり。
 この「オーバーマスター」にしろ「KisS」にしろ、聴いててカッコいい曲で、こういうの歌ってるアイドルがいたら確実にファンも付くでしょうし、決して悪い曲ではないのですが、765プロの「ぬくもりのある曲」に比べると、やっぱり765プロを応援してしまいたくなってしまうのです。
 個人的な好き嫌いは置いといて、765プロが主人公で961プロがライバルという世界観が、このシングルを聴けばなんとなく理解できるようになっているのは、確かに販売戦略として面白いです。特にオーバーマスターなんかは「ゲームの曲」という事を抜きにしても売れるクオリティがあるのですが、それでもやっぱりゲームの曲なのです。片方でも面白いのに、両方聴くとなお面白い。


 なお、この事務所間の対立には、961プロの「黒井社長」が765プロの「高木社長」となんらかの因縁を持っている事も影響しているようなのですが、今のところその真意は不明です。両方とも黒くて正体不明ですし、本編でも語られるかどうか……。
 とりあえず、私の中では高木社長はディーゴ近藤、黒井社長はイボンコに脳内変換しています。よくCDのボーナストーク等では高木社長はギャグキャラの役割になっていますが、私にしてみれば子安さんの声の方がギャグキャラですので。