ダンシング・ユーロ・ボカンの話

 このCD、入手してからずっと「どうしたものか」と頭を抱えていたのですが、今日流していたらなんとなく良さが分かってきました。参考までに前回の日記、丁度一年ぐらい前ですね→http://d.hatena.ne.jp/hyu-rock/20080411
 まずこのCDは「ボカンのユーロアレンジ」としてはなかなか良質だと思います。私自身がユーロビートをあんまり聴かないので、そこに辿り着くまでに時間がかかりました。
 じゃあ何が悪いのかって、歌ってるのが声優さんだからです。正直、声が全然合ってないのですな。「オタスケマンの歌」の緑川光さんとか、もう「なんでこんな仕事受けたの?」と首を捻りたくなるような出来です。ユーロのノリがちっとも伝わってきません。勿論良い仕事してる人もいて、「それゆけガイコッツ」の高木渉さんとかは、原曲と全然違う中でもそれっぽさを出しています。
 ユーロビートとボカン音楽の親和性っていうのは私には判りかねますが、とりあえず一番ユーロアレンジとして成功しているのは「ゼンダマンの歌」ではないかと思います。歌うは昔ながらのヒーローキャラを得意とする古谷徹さんですし、「ケンダマコルト!」の叫びはなかなか良い感じです。一方で「原曲、あるいは本編の雰囲気」を最もよく再現しているのは、先に挙げた高木渉さんの「それゆけガイコッツ」でしょうか。あるいは堀川りょうさんの「ゼンダライオン」も、原曲の「みんなのうた」っぽさが結構出てる気がします。
 ……にしても、なんでユーロビートなんでしょう?結局の問題はそこでして、これのおかげでイマイチボカンの良さであるとかユーロビートの面白さが伝わらない気がします。何故「ボカン」と「ユーロビート」を繋げようと思ったのか。
 そう考えると、「ヤッターマンの歌」のジャズアレンジが収録されている「アニジャズコンボ」も入手する必要がある気がしてきました。あれは単体で聴くとなかなか名曲でしたが、企画アルバムとして考えるとどうなのか、全部聴いてみなければ分からない気もします。