チン・シンザンは結構強キャラだった

 磨伸映一郎先生の単行本と同人誌を一気買いしました。Fate公式アンソロジーの総集編「月の彼方、永遠の眼鏡2」とFate公認コミカライズ「氷室の天地 Fate/school life」の三巻、それと関係無いですがアイマスの同人誌。とらのあなFate同人誌の総集編を再版するなんて知らなかったんじゃよ……。
 で、この人の漫画はなんというか……、読んでて非常に疲れます。それもツッコミ疲れ(笑)。とにかくパロディネタが質も量もハンパなく、1ページ読むのに通常の倍ぐらい時間を使います。
 しかし、それでもパロディはあくまで「味付け」でしかなく、理解できなくても作品として面白いレベルに作られているのは流石の一言。大抵のネタにはハイテンションなツッコミ役がいるので、「笑いどころ」が分かりますし、そのツッコミの勢いだけである程度の笑いは保証されています。勿論、ストーリーもかなりしっかりしており、ゆっくりながらも確実に進む日常がネタの影に隠れながらも描かれています。
 ……というのは「氷室の天地」のみの話。読み比べて改めて認識したのですが、この人はとにかく「パロディ」に妥協がありません。公認コミカライズの「氷室の天地」でも非常に悪乗りしているのですが、アンソロジーを読めば「ああ、あれでも抑えてたんだな」というのが伝わってきますし、同人誌まで来ると最早二次創作とかパロディとかそんなチャチなもんじゃ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わう事になります。
 具体的に言えば、磨伸先生はゆでネタが大好きですが、ウォーズマンを連想とさせるネタが入っているのが公式、コマの隅にウォーズマンを登場させるのがアンソロジーウォーズマンがメインキャラに取って代わるのが同人誌といった感じでしょうか。なんでウォーズマンなんだ!というツッコミは無しで、というか磨伸先生に言ってください。
 あと個人的な話。アンソロ本を読む時、なんとなくBGMを「機甲創世記モスピーダ」にしていたのですが、いきなり「女は誰もロンリーソルジャーガール」とかいう台詞が出てきて大笑いしました。要らないシンクロニシティ。ていうかこの台詞、本編に対して何の必然性も無いんですけど。裏表紙のオシシ仮面だって意味無いし、この人は本当にネタに対して無意味な方向に妥協しませんね。


 尤も、私がこの人の漫画を好きな理由はパロディとかそんなところではなく、眼鏡キャラと映画が好きという辺りなんですけどね。月姫のメインヒロインはやっぱりシエルに決まってますし、ライダーは英霊時も眼鏡着用なのは当然です。あとロボゲイシャとか田舎じゃやらないからスルーしてましたけど、この人がオススメするとなるとDVDが欲しくなるから困る。