サバンナを越えて

 昨日の不満は、たぶんアイマス2そのものよりも、それを作ってるバンナムの方に問題がありそうな感じです。
 それと、処女厨って都市伝説だと思っていたんですが……。
 D
 「夢を、夢を奪われた者が……どうなるか知っているか……?どうにもならない……。決して埋まらない苦しみに、怒りに、悲しさに、心と身体を苛まれるんだ……。それが、どれ程苦しいか…………」
 とはなりませんでしたが、夢子ちゃんオンステージな18話後編。登場人物はたったの二人。元々前編とは一緒に作っていたらしいので、分けた結果こんな配役になってしまったそうですが、それを差し引いても風野君がノリノリなのが伝わってきます。「遊園地は空虚な夢の跡地」「人間の夢は過去の記憶から成り立っている」「夢はどんな形であれ自由なものである」などなど、キレキレの持論が次々と飛び出しています。なんというドリーマー、桜井夢子。ていうか、ゲームの夢子ちゃんってこんなキャラでしたっけ?名前に「夢」が入っているというそれだけの理由で、よくここまで掘り下げたものです。
 そんな夢子ちゃん、今回の音楽はザブングル一本なのですが、台詞の端々に歌ネタが入ってます。例えば「琥珀色の男の夢」とは機甲創世記モスピーダの主題歌からで、しかもモスピーダには「女装して歌手活動する男」が登場し、実際にこの歌を歌う場面もあったりします。また、「夢はいつも貴方を試す」とは、恐らく89年版ジャングル大帝の主題歌から取っているのでしょう。「どっかで聞いた言葉」と涼君が言うからには、たぶん彼も聴いた事があるんでしょう。ザブングルに関しても、「旅の終着なんて今は誰も知らなくて良い」は劇場版EDから、「ちょっと寂しさ忘れたい」はテレビ版の挿入歌から取っています。しかも後者ではわざわざ挿入歌のアレンジ曲を劇伴に入れてるぐらいですから、狙ってるんでしょう(私が以前「ザブングルの挿入歌はツンデレを先取りしてる」とのたまっていたのですが、それの影響?)。あとサムネのアイキャッチ魔境伝説アクロバンチの主題歌から。これも「夢の狩人」ですから、今回はとにかく夢尽くしですね。
 そして最後は、「この女、陥落ちた!」と言わんばかりのデレ期に。なんかすごく楽しそうな人になってて、見てるこっちもニヤニヤしてしまいました。夢と共に生きる彼女は、夢を見る少年に弱かったのだ、というような理屈のようですが、デレるには描写が少なくないかなあ?と尋ねたら、「会話の表情の中にデレを混ぜてるつもり」と言ってました。そう言われればデレてる、かな?
 ちょっと興味深かったのが、夢子ちゃんの口から語られた武田さんと千早。ゲーム中での武田さんはあのゲームでは唯一と言って良い「まともな大人」なんですが(ていうか、他がダメ人間ばっかり……)、この話の中では独善的な面も持ち合わせている事が明らかになりました。そして千早もまた、プロデュース初期の身勝手さが残っているような雰囲気を感じます(DSではすっかりまともになっていましたが)。風野君は以前、夢子ちゃんを「優しい世界」であるマイアス的に異分子だと言っておりましたが、この二人も十分に食わせ者に思えます。心境の変化なのか、それともまた何か別の意図があるのか。まあ、このぐらいなら悪人と言う程でもないでしょうか。


 夢子ちゃんの言う「もう一つの夢」とはなんなのか、疑問はまだありますが、どうやら夢子メインの物語はここでお終いの模様。19話からはまた新展開……だそうですが、次の投稿は17話を予定していて、いかにして涼君が今回の夢を持つに至ったかが明らかになるようです。
 それにしても、ある程度の大人にとって「夢」という言葉は結構辛くなります。別に大人が夢を見なくてつまらないと言うつもりはありませんが……。


 若者は良い、夢を見て生きられるのだから……。