gdgd妖精sは動画付きラジオ

 とまで断言してしまうと語弊がありますが、かのカオスコーナー「アフレ湖」は明らかにラジオのノリだったので。
 インターネットが進歩して、ラジオ業界も少々変わりました。インターネットでラジオを流すというのも当然なのですが、「動画付きラジオ」という一見すると不思議なジャンルのラジオも生まれています。これは収録風景をそのまま流す方式が一般的で、ほとんどはパーソナリティが座っているだけなので映像的な面白さはテレビ番組に劣りますが、ラジオでは伝えられない情報もあるのでしっかりとした支持を得ています。またこれに関連して、現在流れている曲とか出演者の情報等を静止画にして流すパターンもあります。余談ですが、おどろき戦隊モモノキファイブはそろそろ映像配信を行うべきだと思います。割と真剣に。DJCDも早く次を出してほしいですが、DJDVDも出してください。
 話を戻して、更に特殊な形式として、『ぶるらじ』は録音環境自体はラジオそのままなのに、スタッフ側が独自に映像を作って配信しています。ラジオ内のコーナーで絵を描いたらその場で表示されたり、トークに合わせてキャラクターも喜怒哀楽を見せたりするのですが、この「独自」というのがなかなか曲者で、たまに言葉を聞き間違えていたり、杉田智和さんのネタを拾いきれていなかったりします。しかもスタッフが凝り性なのか、動画制作が間に合わず配信が遅れる等の問題が何度か発生しています。正直このラジオはそういった面であまり良質とは言えないのですが、結果できあがった映像自体はすごく手間がかかっていてしかも面白いので固定リスナー?は数千人か数万人かという規模の人気番組になっています。
 この『ぶるらじ』に前後するぐらいでしょうか、「音声のみのラジオやドラマCDに映像を付けてみた」というタイプの動画がちらほらと見られるようになりました。ほとんどは手書きの静止画やアニメのシーンやゲームの立ち絵の切り出しといったシンプルなものなのですが、中には『ぶるらじ風』と称して独自にぶるらじっぽいちびキャラを作って映像を作る職人もいます。
 そんな中には、3DCG制作ソフトで映像を作るパターンもあります。特にニコニコ動画発のMikuMikuDanceは非常に作りがシンプルで操作も簡単、しかも動画制作までソフト内で行えるという至れり尽くせりなソフトなので人気のようです。


 ここまで来て、上のgdgd妖精sに戻るのですが、かのアニメからは、ラジオから動画を作るのが「アリ」ならば、「その逆もアリ」なんじゃないかという発想がちょっと感じられました。つまり、一般のアニメというか動画にラジオ的なテイストを盛り込むという手法です。制作ソフトも上記のような手軽なものにすることでアニメ的なクオリティは下がりますが、その分は脚本力と声優力、そして15分番組という短期決戦にすることでカバーできます。タイトルの「グダグダ」も、声優ラジオにありがちな雰囲気ですし(声優さんがみんなだらけてるわけではありません。念の為)、「アフレ湖」は完全にラジオのネタコーナーのノリになっています。
 「ラジオは映像が無いからテレビより格が落ちる」とは誰が言ったか知りませんが、ハッキリ言ってつまんないアニメを観るぐらいなら面白いラジオを聴きます。かの番組は見るからに低予算番組なのですが、その分意欲的な作風というか制作スタイルを取り入れた結果、今期のダークホースになっているというのはちょっと皮肉な話です。
 とここまで書きましたが、別にgdgd妖精sがラジオに歩み寄って作られたかどうかは全く知りません。が、結果出来上がっているものが、ニコニコ動画に投稿された「音声のみの素材に映像を付けた3DCG動画」に近いものになっているのは興味深い話だと思うのです。


 それと明坂さん。幾ら番組のノリがノリだからって、キャラクターに「台本に書いてない」とか「朝10」とか言わせるのはどうかと思います。千葉トロンじゃないんですから。……しかし、千葉トロンの活躍したビーストウォーズがフルCGアニメではかなり初期の作品で、gdgd妖精sでのCGのクオリティが同等以上のものになっているというのも興味深い話ですね。gdgd妖精sのCGは全て市販のソフト(MMDはフリー)で作られていますから、一般人でももう十分にビーストウォーズ程度の映像は作れるということになるんですよね。
 それと「アフレ湖」で疑問なんですが、ヘッドホンで音を聞いていたらあのコーナーだけ音質がちょっと違いました。若干平坦な感じになっているというか、他のコーナーより薄く感じられたのです。あのコーナーは基本アドリブらしいので(その場で映像を見せられて一発録り)、録音する環境も違っているのでしょうか?